石田 和哉
3日に発表された雇用統計の数字が市場予想を下回ったことから、市場では利下げが早期に行われるのではないのか?という観測が強まり、市場は買い優勢の展開となった。
主要3株価指数は全て上昇となっており、過去最大級の自社株買いを発表したアップルも市場の底支えをするなど、市場全体が値を上げる展開となっている。
雇用統計は非農業部門雇用者数で前月比17万5000人増と、3月から予想以上に伸びが鈍化した事、賃金の前年比での伸びも約3年ぶりに4%を下回るなどしている。
AXSインベストメンツのグレッグ・バサック最高経営責任者は「軟調な雇用統計は利下げをFRBの2024年の議題として確実に位置付けた」と指摘し、長期にわたり高金利が続くという見方が依然根強いが、雇用統計は市場に温かく受け入れられたと述べるなどした。
(S&P500 推移)
(Reutersより)
5月2週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
5月9日(木)
20:00 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
20:00 英国 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
5月10日(金)
15:00 英国 1-3月期四半期国内総生産(GDP、速報値)(前期比)
15:00 英国 1-3月期四半期国内総生産(GDP、速報値)(前年同期比)
15:00 英国 3月月次国内総生産(GDP)(前月比)
20:30 ユーロ 欧州中央銀行(ECB)理事会議事要旨
日米市場
日本市場は38,000円台での推移となっているが、3日の米国市場が大きく値を上げる形となった事で日本市場も39,000円台への回復と40,000円台の実現へ期待といったところとなっている。
日本市場は上値を抑えられる、もみあいとも取れる展開となっていることもあり、米国市場が堅調な展開で推移し続ける展開が続くようであれば、日本市場の復調もある。
為替市場についてドル円が160円台から152円台へと乱高下していることから物価や企業業績にどう影響するかも注目したい。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
英国市場はFTSE100種が最高値更新、欧州市場も好調な展開となった。
英国市場は住宅関連株が市場をけん引する形となり、FTSE100種は史上最高値を更新する形となった。
米国で発表された雇用統計が市場予想を下回った事で利下げが意識される形となり米国市場は急騰、英国市場・欧州市場も引きずられる形となっている。
欧州市場ではテクノロジー株が市場をけん引する形となり、英国市場同様に値を上げる形となった。
(英FTSE推移)
(Reutersより)
今週の為替(USD/JPY)
USD/JPYの4時間足を解説したい。
USD/JPY4時間足では160円台という円安を記録した後、値を下げる展開となっており波動論上での調整波a-b、b波の形成となっている。
ここからの下落となれば青枠線のレンジ相場も下抜ける事となり、ある程度の下抜きは期待できる形となる。
レンジをしっかりと抜けつつ、調整波c波の形成を期待したところだ。
為替介入がささやかれる中、乱高下しており注意しながら取引すればしっかりと利益を確保できる可能性もあるが思わぬ展開にも備えておきたい。