15.2 – FX取引に潜む5つのリスク(2)

FX取引に潜む5つのリスク

前回、FX取引に伴う5つの主なリスクのうち、4つをご紹介しましたが、最後は隠れたリスクです。

5 隠れたリスク

そして最後に残るリスクは、人間の欲です。感情と言い換えても良いでしょう。

少ない資金でも、大きな利益を得られる可能性があるというのがFXの魅力ですが、その一方で、上記の通り資金を全て失う可能性も有ります。しかしながら、多くの人は、利益が出ると言う期待に意識が偏ってしまいがちです。

これは、プロスペクト理論として立証され、理論を展開した学者はノーベル賞も取っていますが、人間は目先の小さな利益を逃すことを恐れ、目先の大きな損失には目を背ける傾向にあります。プロスペクト理論とは、次のような人間の行動理論です。

「人間は、目の前の小さな利益を逃す事を恐れ、目の前の大きな損失には目を背ける傾向がある。」
ダニエル・カーネマン / エイモス・トベルスキー

このプロスペクト理論を、具体的にFX取引に当てはめてみましょう。大きな含み損を抱えている状況では、「そのうち戻ってくるかもしれない」と考えて損切りが出来ないのに、目先の小さな含み益を見ると、「利益が乗っている今のうちに勝ち逃げしよう」と早々に利益を確定してしまいがちな心理状況の事です。

その他にも、人間心理が及ぼす悪影響は沢山有ります。例えば、あなたが何気なく持った買いポジションが、なんだか凄く順調に利益を伸ばしていて、目先で数万円の利益を挙げていたとしましょう。これは、特に始めたばかりの方にとっては嬉しくて仕方の無い、非常にテンションの上がる一大事件と呼んでも良いでしょう。

ところが多くの人は、この時点で「こんなに簡単に利益が出るのなら」と手元の資金を全部追加してしまいがちです。あるいは、資金を追加もしないのに更にポジションを積み上げてしまうこともあるでしょう。具体的に、目先で3万円の利益を2倍にしたら6万円くらいの利益になると考えてしまいがちなのです。

ところが、FX取引では勝つ事もあれば負ける事もあります。そして、往々にして、欲を出した直後に負ける事があります。結果として、そのままにしていたら利益が出ていたのに、欲張ったが為に、逆に損失になってしまったという事も起こりがちです。

これは、一般論では有りません。是非、他人事ではなく、自分にも当てはまる事だと、教訓として頭に入れておいて頂きたいと強く願います。

以上、この章では、リスクという怖いお話ばかりを取り上げましたが、そんなリスクが有るのなら、FXは諦めて他の投資を探そうと思われるかも知れませんが、どんな投資でも基本的には同じ事です。是非、こういうネガティブな事から目を背けないでください。それが投資で勝ち残る道への最短距離だと思います。

最終的な判断を下すのはあくまであなた自身です。リスクを覚悟しなければリターンを得られないのが投資の仕組みです。どんなリスクが有って、そのリスクをどの程度受け入れる準備があるかと言う事に比例して利益が得られるのが投資なのです。投資が自己責任、リスクとリワードは表裏一体等と言われる所以です。

もっとも、投資でリスクを取ることが本当に恐ろしいという判断をされるのも一つの答えです。無理に投資を勧める訳ではありませんので誤解の無いようにして下さい。虎穴に入らずんば虎児を得ずを選ぶのか、触らぬ神に祟りなしを選ぶのかを決めるのも、貴方自身であり、ここにも自己責任が存在するという事を忘れないで下さい。

FXでも株式でもファンドでも、投資であれば全て同じです。株式だからリスクが少ないとか、ファンドの方が安全だ等という都合の良いお話はありません。



監修者 たあぼプロフィール

ブラック企業で過酷に働く中、体調を壊したことをきっかけに脱サラし2010年3月にFX自動売買ソフトの検証ブログを立ち上げる。知識も経験も何も無い所から開始し、数多くの自動売買ソフトを実際に使用しながら検証を続けるブログとメルマガを毎日更新し続け、FXの仕組み、自動売買ソフトの魅力やリスクなどの啓蒙にも力を入れている。その独自の視点から数千名の濃い読者に支えられている。

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