米国市場は小幅高。追加経済対策成立へ期待

2月第1週の米国市場は注目されていた米国雇用統計が市場予想をわずかに下回る数字となりましたが、第1週に発表された他の経済指標は良好な数字が多かったこと、バイデン政権による追加経済対策が好材料として意識された事などから、米国市場は小幅に値を上げて2月1週を終えました。

雇用統計の非農業部門雇用者数が市場予想を下回ったことは経済回復には政府の追加対策が必要であることを示しており、雇用統計を受けたバイデン大統領が「米国経済は今なお苦境にある」とし、大統領が言明した「1兆9000億ドル規模の経済対策」が財政調整法による迅速な法案の成立が可能となっているとの思惑となった市場は買いが入り、芳しくない経済指標の中での小幅高となった。


(NBCより)

バイデン大統領は民主党議員らとの会合後の記者会見で「雇用創出ペースでは今後10年最大雇用の回復には至らない」とし、「議会ではすでに十分な支援を実施した、これ以上できることは限られていると考える向きがあるようだが、私には状況がその様には見えない」と言明。1兆9000億ドル規模の新型コロナウイルス対策法案の実現が必要である事、それを迅速に実施する考えを述べ、市場はそれを好感しての買いが優勢となっている。

その一方で、1月4週の市場の混乱の原因ともなったロビンフッダーによる過度な投機的取引の影響は2月1週もゲームストップの乱高下という形で継続している。

コロナウイルス感染症による外出自粛が知識もいらず、スマートフォン1つで安易な売買のできるロビンフッドを利用する「ロビンフッダー」を生み出し続けており、危険な投資ゲームは今も行われている。ロビンフッダーの生みの親となったロビンフッド・マーケッツは売買手数料が無料、最低預入残高撤廃などを掲げたことで資産、投資経のない若年層でも売買が手軽に行える事ができるという利点が米国金融市場へ大量の新規投資家を増やしたという功績は讃えられるべきではあるが、一方で弊害も多く出ている。

ロビンフッダーの投資知識があまりにも乏しいことによる誤発注が後を立たない。

英国のバイオテクノロジー社のティジアナ・ライフ・サイエンシズの銘柄コード(TLSA)とテスラの銘柄コード(TSLA)が似ていることでティジアナ・ライフ・サイエンシズの株価が3倍に高騰。

Fangdd Network Groupの企業名が米国市場で優良銘柄の代名詞とも言われるビックテック、FAANG(FaceBook、Amazon、Apple、Netflix、Google)と名前が似ていることからFangdd Network Groupの株価が5倍に高騰。

という無知からくる誤発注による株価の急騰やゲームストップで代表されるマネーゲームによる株価の急騰落を受けた市場の混乱やファンダメンタルズ分析に依らない「祭り」とも言える熱狂的・狂信的な投資が問題となっている。

また、ロビンフッド・マーケッツがロビンフッダーに発行するデビットカードが消費者ローンで決済が可能である事、与信枠によって信用取引も可能であり、倍々ゲームで損失も利益も伸びるという危険性も指摘されている。ゲーム感覚で取引を繰り返すロビンフッダーの危険な行動で大きな損失を抱えるもの、破産するものに加え、ゲームストップの顛末次第では大きな規制や更なる市場の混乱、ロビンフッダー自身も多くの破産者も生み出す可能性もあるのではないのだろうか。

2月第2週の注目ポイント(経済指標)

2月10日(水)
22:30 米国1月消費者物価指数(CPI)(前月比)
22:30 米国1月消費者物価指数(CPIコア指数)(前年同月比)
22:30 米国1月消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
22:30 米国1月消費者物価指数(CPIコア指数)(前月比)
28:00 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言

2月12日(金)
16:00 イギリス10-12月期四半期国内総生産(GDP、速報値)(前年同期比)
16:00 イギリス12月月次国内総生産(GDP)(前月比)
16:00 イギリス10-12月期四半期国内総生産(GDP、速報値)(前期比)

日米市場
市場ではロビンフッダーによる投機的取引が市場の脆弱性を図る指数が、昨年3月のコロナウイルス感染症問題の最悪の状況以来の高値をつけており、米国市場が個人投資家による投機的取引が市場の流動性を失わせてしまう事が企業決算や経済指標が従来よりも大きく市場に負荷を与える材料として意識されつつあることを示している。同様にシカゴ・オプション取引所のボラティリティー・インデックス(恐怖指数)も市場が混乱傾向にあるとされる20を超えて推移し続けており、週明けに行われるシスコシステムズやGM、ウォルト・ディズニーの決算発表や10日の米国消費者物価指数、FRB議長発言でマイナス材料と意識された場合には根を大きく下げる可能性も出てきている。


(Google Finance より)

週足で見た場合、昨年3月のコロナウイルス感染症による米国経済への影響が懸念されて以来、20を超えて推移し続けている。

欧州市場
欧州市場は英アストラゼネカと欧州当局との間で新型コロナウイルスワクチンの供給を巡っての対立が起きたことは周知のとおりだが、7日に欧州中央銀行のラガルド総裁が「不透明感は残るものの、年央あたりから景気回復が加速するとみている。ただ、経済活動がコロナ前の水準を回復するのは2020年半ば以降だ」との見通しを示したこと。前欧州中央銀行総裁のドラギ氏によるイタリアにおけるドラギ政権が誕生すれば欧州経済のさらなる回復へ期待をすることもできることから、ドラギ氏による組閣の誕生とその内容、ラガルト発言による市場への影響に注目が集まっている。

今週の為替(ポンド/ドル)

ポンドドル 日足
ポンドドルの日足では好調な上昇を見せているが、上値を意識される価格まで接近しつつある。ポンドドルに対して、市場参加者が強気の姿勢であることが伺える展開となっておりユーロポンドが下落基調出ること、過去に意識された価格帯であることからも1.37を抜ける可能性は高そうです。抜けた後の最大の意識価格は1.43であるが、そこに到達するまでには1.37後半が意識をされるなど上昇一服まではまだ先が長そうだ。

ポンドドル 週足
2つのチャートを見比べると日足・週足で上昇トレンドが続いており、強気の姿勢は継続すると思われますが、1.43後半から1.48までが比較的意識されやすい部分であることから一旦の利益確定の売りなどが発生する可能性はある。

ポンドドル 4時間足
 週足、日足ともに上昇であり、4時間足でも上昇一辺倒となっているが、チャート上では少し上値が重くなってきていることが1.374前での細かい上下から見て取ることができる。1.374を抜けることは可能であるとは思われるが、一旦の利益確定なども出る可能性があり4時間足以下での取引では少し注意が必要となりそうだ。