控えめな年末商戦を受け小幅な値動き
11月25日に米国では年末商戦の幕開けとなるブラックフライデーのセールが始まったものの強いインフレ、金利上昇などが家計を圧迫したのか、小売商戦ではまばらな客足となるなど米国市場も米国小売も静かな展開となっている。
ブラックフライデーの支出動向、小売売上高などが低調に終わった場合には残りの年末商戦へ向けクリスマス商戦が低調に推移する事でもあり、米国市場にとって高進するインフレ、金利上昇の影響が数字となって表れつつある。
30日のFRBでのパウエル議長発言、週末の米国雇用統計を前に静かな展開は続きそうだ。
一方で、台湾の統一地方選において与党敗北で蔡英文総統党主席の辞任を表明し、米中間での政治的な動きも起こり得る可能性もあり、各国首脳の発言により相場が動く可能性もあり、注意したい。
（米インフレ率推移）
（Bloombergより）
11月最終週注目ポイント（経済指標）
時間表記:日本時間
11月29(火)
22:30 カナダ 9月月次国内総生産(GDP)(前年同月比)
22:30 カナダ 9月月次国内総生産(GDP)(前月比)
22:30 カナダ7-9月期四半期国内総生産(GDP)(前期比年率)
11月30日（水）
19:00 ユーロ11月消費者物価指数(HICPコア指数、速報値)(前年同月比)
19:00 ユーロ1月消費者物価指数(HICP、速報値)(前年同月比)
22:15 米国11月ADP雇用統計(前月比)
22:30 米国7-9月期四半期実質国内総生産(GDP、改定値)(前期比年率)
27:30 米国パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、発言
12月1日（木）
22:30 米国10月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前年同月比)
22:30 米国10月個人消費支出(PCEコア・デフレーター、食品・エネルギー除く)(前月比)
22:30 米国10月個人消費支出(PCEデフレーター)(前年同月比)
24:00 米国11月ISM製造業景況指数
12月2日（金）
22:30 米国11月平均時給(前月比)
22:30 米国11月失業率
22:30 米国11月非農業部門雇用者数変化(前月比)
22:30 米国11月平均時給(前年同月比)
日米市場
日本市場は引き続き方向感のない展開が予想される。
米国市場がFOMCや米国雇用統計を前に様子見の姿勢が強くなっている事、注目されていたブラックフライデーの進捗が芳しくない事などから上値の重い展開が続きそうだ。
米国市場は上記に記載したように、FOMC、米国雇用統計を控えた底堅い展開になると思われる。
先月の雇用統計が利上げ幅縮小の起点となった事からも、2日の雇用統計でも同様の傾向となった場合には市場は素直な展開となりそうだ。
（ダウ平均推移）
（Reutersより）
欧州市場
英国・EU市場共に続伸となっている。
欧州市場は6週連続となっており、FRBによる利上げ鈍化への期待感が市場で囁かれていた年末商戦の波乱、不動産株の下落を打ち消す形となったようだ。
ワードルドカップに欧州の多くの目が向いている中でのブラックフライデー入りという事もあり、小売り売上は低調な展開となっている。
OANDAのシニア市場アナリスト、グレイグ・アーラム氏は、ブラックフライデーの企業への影響について「ここから分かることの一つは、ホリデー期間中の家計支出量の見通しだ」と述べ「希望を持つために小売業者には堅調なブラックフライデーが必要だ。もしも、人々が消費していないことを示すデータがさらに得られれば、小売業者にとっては非常に心配な時期になるだろう」と述べるなど小売業には苦しい展開となりそうだ。
（worldcup Qatar2022）
(https://www.mlssoccer.com/より)
今週の為替（GBP/USD）
GBP/USD 4時間足
ややこしい図となったが、GBP/USD4時間足では調整波のa-c波が終わり、上昇・下降どちらでの推進波でもおかしくない部分、2波で上昇、2波～3波の形成を伴って下降の両方の可能性のある部分となっている。
上昇、2波での上昇の場合にはb～c波で形成された安値よりも高い位置での戻りが必要であり値を戻してきた場合（戻った場合）にはc波と1波で形成された高値を抜ける事で上昇トレンドの発生、2波で乗ることが可能となる。
下降、2-3波の形成での下降の場合には1波がb-c波で形成された安値を下回る事、下回った後に値を戻し、c波～1波で形成された高値よりも安い価格で3波を形成する事で下降での3波に乗ることが可能となる。
どちらに推移した場合もであっても波動論上の2-3波でのトレードは可能であり、ある程度の取引により利益も見込むことができる可能性が高いチャートとなっていると考えられる。