過去対未来のマーケット

トレードとは、今後も繰り返されるであろうマーケットの動向パターンを見つけて利益にするものです。マーケットパターンとは、過去から繰り返され、未来もまた繰り返される可能性が高いマーケットの動向です。マーケットパターンを見つけることは、トレードから利益を得るための鍵となります。

例えば、マーケットがニューヨーク市場で上昇すれば、翌日の日本市場では70％の時はこうやって動く、などがあります。予測ではなく確率が高く、一か月を通してなど定期的なパターンがあることが分かったら、ニューヨーク市場でマーケットが上昇し過ぎたところを狙って日本市場で売りポジションを建てるという戦略を実行します。他のパターンには、価格が10期間移動平均線を下回るとマーケットが下落する可能性が高い、というものです。

トレーダーが過去の値動きをもとにトレード判断を下すことからマーケットパターンは生じます。過去に定期的に見られた値動きを調べ、これらのパターンを使用して戦略を構築します。

同じパターンを信じるトレーダーが多いほど、それは今後も続く可能性が高まります。そのため、他のトレーダーが使用しているパターンを理解することは有益な戦略を見つけるのに役立ちます。例えば、多くのトレーダーが使用しているマーケットパターンが完成しそうな時は、他のトレーダーがいつエントリーしてくるのかが分かります。そこで他のトレーダーよりも先にエントリーし、より有益なトレードにしていきます。

ただ、あまりにも多くのトレーダーが同じパターンでトレードしている場合、問題が生じる可能性があります。あなたが決済することを考えている時に、多くのトレーダーも同じポジションを持っていると、マーケットはあなたのポジションとは逆の方向に大きく動くことがあります。パターンを見つけたら、そのパターンがなぜ利益を上げられたのか、将来的に収益性がどれだけ高い状態でいられるのかを分析する必要があります。パターンは順張りパターンか逆張りパターンか、過去のマーケットは静かであったか激しい値動きであったか、最近のニュースはマーケットの状態を変えたかどうか、などです。

マーケットは、さまざまな理由（ニュース、テクニカル指標、センチメントなど）で動きますが、これらの予測は100％正確なものではありません。100％同様に繰り返すパターンがないため、リスク管理が重要です。マーケットは常に変化していっていることを受け入れ、トレード前に計画したストップロスに従う必要があります。トレード不振になった後は、トレード結果を見直すことをお薦めします。トレードに使用しているマーケットパターンが現在のマーケットにも適しており有効に作用しているかどうか。また、新しいニュースが入ったり、トレンドが崩れてマーケットの方向性やボラティリティが変わってきていないか等を確認します。これはトレード戦略を変える必要があるかどうかを判断するために行います。そして、必要があれば戦略を調整していきます。

マーケットは常に変化しているため、トレードパターンは複数使用できるととても便利になります。1つのパターンの優位性がなくなった時はそのパターンでのトレードをやめ、現在のマーケットに合う他の戦略に変更します。マーケットパターンを探し、トレードパターンやトレード結果を改善させる検証を行い、どうしてそのような結果になったのかを常に理解するようにします。これは損失に失望した行動ではなく、新しい収益性の高いパターンを見つける、良い機会にするためです。損失は損失で終わらせず、次の良い結果へ繋げる良い材料だということを忘れないでください。