Nick Goold
ダウ平均株価
11月はダウ平均株価が7%の大幅な上昇となるなど記録的な1ヶ月となりました。特に11月の最後の週に2%以上の上昇となったことが印象的です。この株価の急上昇の主要な要因は、米10年債利回りが0.20%下がり、4.2%になったことが挙げられます。
債券利回りの低下は、FRBが参考にしているインフレ指標である個人消費支出（PCE）価格指数などの要因によるものです。PCE価格指数は10月に0.2%しか上昇せず、9月よりも減速しています。インフレが抑制されてきたという兆候は、これまでタカ派姿勢だったFRBがハト派姿勢に変わる可能性があり、株式市場にとっては「相場のエンジン」となります。
さらに、利下げとそれに伴う株価の上昇には、連邦準備制度議長パウエルの発言が影響しました。パウエル議長は、金利が「制限的な領域にすでに入っている」と認めつつ、利上げのペースが落ちる可能性を示唆しました。しかし、経済データの結果によっては、再び利上げすることをためらわないとも警告しました。パウエル議長の発言は、投資家の期待と市場の感情を形成する上で重要でした。
今後を展望すると、ダウは2023年の高値を上回るだけでなく、現在3満7,000ドル近くの過去最高値を目指しています。しかし、今週の金曜日に予定されている米失業率（雇用統計）発表を控え、相場は過熱気味になっています。このような相場状況では、短期トレーダーに売りチャンスを提供するでしょう。逆に、中期トレーダーには、買いポジションを維持するか、10日移動平均に近づいた場合に押し目買いをする戦略が望ましいと考えます。
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日経平均株価
今週、ダウ平均株価が上昇しているにも関わらず、主に円高が影響し、日経平均株価は下落しました。円高の主な要因は、米連邦準備制度理事会（FRB）が来年利下げに転じるかもしれないとの見方が強まっていることが挙げられます。ファンダメンタルの変化があり、ドル安となり、相対的に日本製品が海外市場では高価となり、輸出に大きく依存する企業の利益に影響を与える可能性があります。
日本の国会は、2024年3月までの補正予算を採択しました、これは財政刺激策を支援することを目的としています。日本銀行（BoJ）の理事会メンバーは、現在の緩和的な金融政策の継続を示唆しました。この姿勢は、低金利を維持し、借入れと支出を促進することで経済成長を刺激することを目的としています。しかし、いずれも日経が下落するのを防ぐことができず、投資家の懸念は金融政策だけではないことを示しています
今週、ダウ平均株価は過熱しており反落する可能性が高いですし、ドル円もさらに下落する可能性があります。これにより、日経平均株価はさらなる下落のリスクがあります。この相場状況は、トレーダーに売りチャンスを提供するかもしれません。
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