Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
先週は米国とイランの緊張が高まり、中東からのエネルギー供給に対する懸念が強まりました。サウジアラビアの東西石油パイプラインに飛翔体が着弾したと報じられたこともあり、WTI原油は100ドルを上回りました。原油価格の上昇に加え、米国の長期金利も上昇し、世界の株式市場は上値の重い展開となりました。
米国のPPIとCPIはおおむね市場予想通りとなったものの、インフレは依然として高い水準にあります。この結果、米国の利上げ観測が強まり、利上げ確率は約90%まで上昇しました。一方、米消費者信頼感は市場予想を下回り、2カ月連続で低下しました。

原油価格が上昇する中でも円高の流れは続きました。ベッセント米財務長官が円はさらに上昇する可能性があるとの見方を示したことも、円買いを後押ししました。市場では日銀の次の動きにも注目が集まっています。欧州ではECBが予想通り0.25%の利上げを行い、政策金利を2.5%としたほか、インフレ見通しも引き上げました。
今週のマーケット
米国株
先週のダウ平均は、インフレが高止まりする中、原油価格の上昇も投資家心理の重しとなり、軟調な展開となりました。10日移動平均線は下向きに転じ、直近の安値である52,700を下回ったことで、中期的な下落トレンドが始まる可能性も出てきています。相場の勢いが下向きに変化しているため、短期・中期ともに戻り売りの機会を探す戦略が有効と考えられます。レジスタンスは52,700、53,000、53,750、54,000、54,500、55,000、56,000。サポートは52,000、51,500、51,000、50,000です。
日本株
日銀がこれまでの予想より速いペースで利上げを進めるとの見方が強まったことに加え、米国株の下落も重しとなり、先週の日経平均は軟調に推移しました。米国株ほど下落トレンドは強くありませんが、短期的には弱い動きが続いています。現在の相場環境では、上昇した場面で売りの機会を探す戦略が有効と考えられます。レジスタンスは66,000、67,500、69,500、70,000、71,000。サポートは64,000、63,000、62,000です。
米ドル/円
先週の米ドル/円は、WTI原油が上昇する中でも週前半に重要な155.00を下回り、円相場に対する市場の見方が変化していることを示しました。ベッセント米財務長官が円高が進むとの見方を示したことも米ドル/円の売りを後押しし、米国のインフレ上昇を受けた反発も一時的なものにとどまりました。売り圧力は依然として強いものの、短期的には売られ過ぎの水準にあり、価格もボリンジャーバンドの下限付近で推移しています。そのため、短期の買いを狙う場合は慎重に対応し、ストップロスを小さく設定することが重要です。中期トレーダーは、いったん反発を待ってから売りの機会を探す方が良いでしょう。レジスタンスは154.50、155.00、157.00、158.00、159.00、160.00。サポートは153.00、152.50、152.00、150.00、149.00です。
ゴールド
今週のFRB会合で米国が利上げする可能性が高まったことに加え、WTI原油の上昇もあり、先週のゴールドには再び売りが入りました。引き続き下落圧力がかかる可能性がありますが、月初につけた安値付近ではサポートが維持されています。このサポートが続く間は、短期的にレンジ相場となる可能性があります。さらに大きな下落を予想するには、まずこのサポートを明確に下抜けるかを確認したいところです。レジスタンスは4,400ドル、4,500ドル、4,600ドル、4,650ドル、4,700ドル、4,775ドル、4,900ドル。サポートは4,300ドル、4,285ドル、4,225ドル、4,200ドル、4,125ドル、4,100ドルです。
原油
先週のWTI原油は100ドルを上回り、5月以来の高値をつけました。中東での紛争による供給への影響が続く一方、状況改善の兆しがほとんど見られないことが原油価格を押し上げています。上昇トレンドは依然として強いものの、短期間で大きく上昇しているため、10日移動平均線付近まで調整する可能性もあります。また、中東情勢に前向きなニュースが出れば、さらに大きく下落する可能性にも注意が必要です。レジスタンスは105ドル、110ドル、115ドル。サポートは95ドル、90ドル、85ドル、80ドル、75ドル、67.50ドルです。
ビットコイン
先週のビットコインは、今週のFRB会合で利上げが行われるとの見方が相場の重しとなり、再び82,000ドルのレジスタンスを上抜けることができませんでした。10日移動平均線も横ばいとなっており、これまでの相場の勢いが弱まりつつあります。現在のレンジが続く間は、75,000ドル付近のサポートと82,000ドル付近のレジスタンスの間でレンジ取引を狙う戦略が有効と考えられます。レジスタンスは82,000ドル、85,000ドル、90,000ドル、95,000ドル、100,000ドル。サポートは75,000ドル、65,000ドル、62,000ドル、60,000ドル、55,000ドル、50,000ドルです。
今週の注目ポイント
月曜日:日本 鉱工業生産
火曜日:中国 失業率、英国 失業率、EU 貿易収支・ZEW景況感指数、米国 ニューヨーク連銀製造業景況指数
水曜日:日本 貿易収支、英国 PPI、EU 鉱工業生産、米国 小売売上高・FRB政策金利発表
木曜日:EU CPI、英国 BoE政策金利発表、米国 住宅着工件数・中古住宅販売成約指数
金曜日:日本 全国CPI・日銀(BoJ)政策金利発表、英国 小売売上高、米国 鉱工業生産
今週は、各国の中央銀行が相次いで政策金利を発表するため、金利と為替の動きに注目が集まりそうです。16日のFRBでは0.25%の利上げが有力視されています。17日の英中銀(BoE)は金利据え置きが予想され、18日には日銀の政策金利発表があります。特に円相場は、日銀の決定や今後の金融政策についての発言を受けて、大きく動く可能性があります。また、100ドルを上回っているWTI原油の動きにも注目です。原油高が続けばインフレ圧力が強まり、各国の金利見通しにも影響する可能性があります。経済指標では、米小売売上高、EUのCPI、日本の全国CPIなどが注目されます。

