Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
先週の市場は全体的にレンジ内での推移となり、米国の金利政策を巡る政治的圧力が注目された。トランプ政権下の司法省が、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長を調査しているとの報道を受け、中央銀行の独立性に対する懸念が高まった。これは、トランプ大統領が利下げの遅れを理由にFRBを批判したことを受けたものだ。これに対しパウエル議長は、公の場で圧力に反論し、FRBの独立性を守る姿勢を明確にした。この立場は、その後、複数の主要中央銀行関係者からも支持された。
米国株式市場と日本株式市場は小幅に上昇し、一時的に史上最高値を更新したものの、週末にかけてはほぼ横ばいで取引を終えた。米国のインフレ指標は予想を下回った一方、個人消費は堅調で、11月の小売売上高は前月比0.6%増となった。英国のGDPも0.3%成長と予想を上回り、全体的なリスク選好を支えた。

米国の長期金利は、次期FRB議長が現在よりもタカ派となる可能性が意識される中で上昇した。一方、イラン情勢を巡る緊張の継続や、米国の関与拡大リスクが安全資産需要を支え、金価格は底堅く推移した。また、地政学リスクはWTI原油価格の下支え要因ともなった。
今週のマーケット
米国株
先週の米国株は上昇を試みたものの、史上最高値近辺で何度も上値を抑えられた。これは、長期金利の上昇が株価の一段高に対する慎重姿勢を強めたためだ。中期的な上昇トレンドは維持されており、10日移動平均線が引き続きサポートとして機能している。ただし、短期的には、ダウ平均が10日移動平均線を下抜けた場合、押し目を狙う局面となる可能性がある。上値抵抗は49,500、50,000、下値支持は49,000、48,000、47,500、47,000が意識される。
日本株
日経平均株価は、円安を背景に先週前半に史上最高値を更新した。しかし、その後は為替介入への思惑が強まり円高方向に振れたことで、利益確定の動きが出て、週を通しては小幅高にとどまった。中期的な上昇トレンドは依然として強く、今週は10日移動平均線付近までの押しを待つ戦略が有効とみられる。上値抵抗は54,000円、54,500円、55,000円、下値支持は52,500円、51,500円、51,000円。
ドル円(USD/JPY)
ドル円は週初、日本の長期金利上昇と、158円超での日銀による介入が見られなかったことを背景に急伸した。しかし週後半には、円安に対する懸念を示す日本当局者の発言を受けて利益確定が進み、高値から押し戻された。とはいえ、価格は10日移動平均線と158円付近のサポートを維持しており、全体的な上昇トレンドは崩れていない。上値抵抗は159円、159.5円、160円、下値支持は158円、157円、156円。
金(ゴールド)
金は先週も力強い展開となり、イラン情勢の緊張や米国関与リスクを背景とした安全資産需要により、史上最高値を更新した。週後半には米長期金利の上昇を受けて利益確定が入り、10日移動平均線を試す動きとなったが、上昇トレンド自体は維持されている。基本的には押し目買いが有利な局面だが、10日移動平均線を明確に下抜けた場合、短期的な調整が深まる可能性もある。上値抵抗は4,650ドル、4,700ドル、4,750ドル、下値支持は4,550ドル、4,450ドル、4,400ドル。
原油
WTI原油は、イラン情勢の不安定化や米国関与リスクを受けた供給懸念から、60ドルの上値抵抗を上抜けた。これにより、これまでのレンジ相場は終了し、10日移動平均線の上向き転換とともに、上昇基調を強める展開となっている。今後の値動きはイラン情勢次第となるが、上値抵抗は65ドル、66.50ドル、70ドル、75ドル、下値支持は59ドル、55ドル、50ドル。
ビットコイン
ビットコインは回復基調を維持し、95,000ドルの上値抵抗を突破した。米国における投資家保護の強化や規制の明確化への期待が、市場心理を支えている。今週は100,000ドルの節目を試す可能性があり、90,000~92,500ドル付近への押しは買い場として意識されやすい。上値抵抗は100,000ドル、105,000ドル、下値支持は95,000ドル、90,000ドル、85,000ドル、80,000ドル。
今週の注目ポイント
月曜日:中国 失業率、GDP、鉱工業生産、日本 鉱工業生産、EU 消費者物価指数(CPI)、米国 祝日
火曜日:英国 失業率、EU ZEW景況感指数
水曜日:英国 CPI・PPI、米国 中古住宅販売仮契約、建設支出
木曜日:日本 貿易収支、豪州 失業率、米国 GDP、コアPCE価格指数、個人消費支出
金曜日:日本 全国CPI、auじぶん銀行サービスPMI、日銀 金融政策決定会合、英国 小売売上高、S&Pグローバル製造業PMI、米国 S&Pグローバル製造業PMI、ミシガン大学消費者信頼感指数
週明け月曜日は米国の祝日で動意に欠ける可能性があるが、その後は急速にボラティリティが高まる可能性がある。早ければ火曜日にも、関税の合法性を巡る米連邦最高裁の判断が下される見通しで、米国GDPやコアPCE価格指数など重要指標の発表も控えている。日銀は政策金利を0.75%で据え置くとの見方が大勢で、次回利上げは4月が想定されているが、円安が続けば、より早期の対応を迫られる可能性もある。
