Paula Rodriguez
第三十四回目の今回は、「稼ぐ!海外FX」の編集長であり、専業トレーダーとして活躍されている高橋亮介さんにインタビューをさせていただきました。
長年の経験を通じて築かれたトレードスタイルや、日々の学びと検証の積み重ねについてお話しいただきました。

トレーダーの紹介
はじめまして、高橋亮介と申します。現在、金融情報メディア「稼ぐ!海外FX」の編集長を務めております。国内FXは20年以上、海外FXは15年以上の取引経験があり、EA(自動売買)と裁量トレードの両輪でさまざまな手法を検証してきました。元々は一般企業でマーケティングとデジタル施策に携わっていましたが、その後フリーランスとして独立し、現在は専業トレーダーとして活動しながらメディア運営にも力を注いでいます。「正しい海外FXの情報を、誰もが安心して意思決定できる形で」という理念のもと、実際の検証データに基づいた中立的な情報発信を心がけています。
FXを始めたきっかけは?
大学の経済学部に在籍していた頃、為替市場の仕組みに強い関心を持ったことがきっかけです。当時は書籍やネットで為替チャートの研究を始め、「学んだ経済理論を実際の市場で試したい」という思いが日に日に強くなっていきました。社会人になってからも投資への興味は消えず、仕事の傍らで国内FXを始めました。その後、レバレッジの柔軟性や取引環境の多様性に魅力を感じて海外FXにも挑戦するようになりました。マーケティングの仕事で培ったデータ分析の視点が、相場分析にも活かせると実感したのも大きな転機でしたね。最初は「経済の勉強の延長」という気持ちでしたが、徐々にトレード自体の奥深さに惹かれていきました。
どのようにFXを学びましたか?
最初は書籍やオンラインの無料コンテンツで基礎知識を学びました。ローソク足の見方、テクニカル指標、ファンダメンタルズ分析など、基本的な内容は独学で身につけました。ただ、知識をインプットするだけでは実際のトレードで勝てないことをすぐに痛感しましたね。そこで少額から実践を始め、毎回のトレードを記録に残して検証する習慣をつけました。自分の失敗パターンを可視化することで、改善点が明確になっていきました。その後、EA(自動売買)にも興味を持ち、プログラミングの基礎を学びながらバックテストを繰り返しました。裁量トレードとEAの両方を経験することで、相場の本質的な動きへの理解が深まったと感じています。資格も取得しながら、継続的に学び続けることが大切だと実感しています。
トレードを開始して最初はどうでしたか?
正直に言うと、最初は失敗の連続でした。書籍で学んだ知識があっても、実際の相場では思い通りにいかないことばかりです。特に印象に残っているのは、自分が組み立てたシナリオと真逆に相場が動いて、あっという間に含み損が膨らんでいく経験です。「なぜこのタイミングでエントリーしたのか」を後から振り返ると、根拠が曖昧だったことに気づきました。感覚的な判断や、チャートパターンの表面的な理解だけでトレードしていたんですね。損切りのルールも明確でなく、「もう少し待てば戻るかも」という期待で損失を拡大させてしまうこともありました。当時は資金管理の重要性も十分に理解していなかったため、ポジションサイズが適切でないことも多かったです。この時期の失敗があったからこそ、今の自分があると思っています。
どれくらいかけて利益が出るようになりましたか?
安定して月単位でプラスを出せるようになったのは、FXを始めて約2年後でした。最初の1年は基礎固めと失敗の積み重ね、次の1年で自分なりの手法を確立していった感じです。特に転機となったのは、トレード記録を徹底的に分析し始めてからですね。エントリーの根拠、保有時間、利確・損切りの判断など、すべてを記録してパターンを見つけ出しました。また、EA開発を通じてバックテストを繰り返すことで、統計的な視点から相場を見られるようになったのも大きかったです。「こうすれば必ず勝てる」という魔法のような手法はありませんが、優位性のある場面を見極め、リスクを管理しながら継続することで、徐々に収支が安定していきました。焦らず地道に検証を重ねた結果だと思います。
利益が出るようになったのは何故だと思いますか?
最も大きな要因は、資金管理とリスク管理を徹底できるようになったことです。どれだけ優れた分析ができても、1回の取引で大きく資金を失ってしまえば意味がありません。1回のトレードでのリスクを口座資金の一定割合以内に抑え、連敗しても生き残れる資金管理ルールを確立しました。次に、自分の得意なパターンを明確にしたことです。すべての相場局面で勝とうとするのではなく、「この形なら優位性がある」という場面に絞ってエントリーするようにしました。また、感情に左右されないトレードを心がけたことも重要でした。負けた後に取り返そうと無理なトレードをしない、予定通りに損切りできる、といった精神面の成長が利益の安定に直結しました。EAでの検証を通じて、統計的に優位性のある手法を裁量にも応用できたのも大きかったですね。
トレードはどのようにされているのですか?(スキャルピングや狙っているタイミング)
現在は裁量トレードとEA(自動売買)を併用しています。裁量ではデイトレードからスイングトレードが中心で、日足や4時間足で大きなトレンドの方向性を確認してから、1時間足や15分足でエントリータイミングを探ります。テクニカル分析では、移動平均線やサポート・レジスタンスライン、トレンドラインを基本に、過度にインジケーターを使わないシンプルなスタイルです。重要な経済指標の発表前後は、ボラティリティが急激に高まるため基本的には様子見します。EAについては、バックテストで優位性を確認した戦略を複数稼働させ、分散してリスクを抑えています。裁量とEAのどちらか一方に偏るのではなく、それぞれの強みを活かすことで、より安定した運用を目指しています。相場環境に応じて柔軟に対応できる点が、この併用スタイルの利点だと感じています。
トレーダーとしての1日の過ごし方は?
朝は7時頃に起床し、まず前日の海外市場の動きと主要通貨ペアの状況を確認します。経済指標カレンダーもチェックして、その日の注目イベントを把握します。午前中はメディアの記事執筆や編集作業に集中することが多いですね。実際のトレード経験を記事に反映させることで、読者にとって価値のある情報を提供できると考えています。午後は相場の動きを見ながら、エントリーチャンスがあれば裁量トレードを行います。夕方以降、ロンドン市場やニューヨーク市場が開く時間帯は値動きが活発になるため、チャートを注視する時間が増えます。ただし、常に画面に張り付いているわけではなく、事前に決めたルールに基づいて指値や逆指値を設定し、メンタルに負担をかけすぎないよう心がけています。夜は1日のトレードを振り返り、記録をつけてから就寝します。
取引ペアは何がメイン?
メインで取引しているのはUSD/JPY、EUR/USD、EUR/JPYの3つです。USD/JPYは日本人トレーダーにとって情報が入手しやすく、値動きの特性も把握しやすいため、最も取引回数が多いペアです。スプレッドも狭く、流動性が高いため、約定の安定性も魅力ですね。EUR/USDは世界で最も取引量が多い通貨ペアで、テクニカル分析が機能しやすいと感じています。EUR/JPYは、ユーロとドルの両方の動きを把握していれば相場の流れが読みやすく、ボラティリティもほどよいため好んで取引しています。複数の通貨ペアを監視することで、相関関係も見えてきますし、トレードチャンスも増えます。ただし、あまり多くのペアに手を広げすぎると分析が散漫になるため、この3つに絞って深く研究することを重視しています。
トレードする上で一番重要視していることは?
最も重要視しているのは「相場から退場しないこと」です。どんなに優れた手法を持っていても、一度の大きな損失で資金を失ってしまえばすべてが終わってしまいます。そのため、徹底した資金管理とリスク管理を最優先にしています。具体的には、1回のトレードでリスクにさらす金額を明確に決め、そのルールを絶対に守ります。また、メンタルの安定も非常に大切です。負けた後に感情的になって無理なトレードをしないこと、自分の決めたルールに従って淡々とトレードを続けることを意識しています。さらに、常に学び続ける姿勢も欠かせません。相場環境は常に変化しますから、過去の成功体験に固執せず、新しい知識や手法を取り入れながら改善を続けることが、長期的な成功につながると信じています。トレードは技術だけでなく、総合的な人間力が試される世界だと実感しています。
