Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
先週金曜日、米中貿易戦争への懸念が再燃したことで世界市場は急落しましたが、今週は米国株の反発により落ち着きを取り戻しました。トランプ大統領が「中国とのさらなる対立を避けたい」と強調したことで、投資家心理が和らぎ、前週の混乱後にリスク選好ムードが回復しました。
日本では、政治的不透明感の高まりを受けてドル円と日経225がともに下落しました。自民党の連立相手である公明党が支援を撤回したことで、高市早苗氏の首相就任の可能性に疑念が生じ、自民党は新たな連立相手を探す必要に迫られました。この政治的不安定さが日本資産への重しとなり、投資家の慎重姿勢を強めました。

米国の不透明感が続く中、安全資産需要に支えられ金価格は上昇を続けました。一方、英国では失業率が予想を上回る悪化を示し、政府が増税を検討しているとの報道が流れるなど、景気への懸念が強まりました。パウエルFRB議長は、年内に短期金利の追加利下げが実施される可能性を示唆し、緩和的な金融政策への期待を後押ししました。
今週のマーケット動向
米国株
ダウ平均は先週の下落分を回復し、一部アナリストが懸念していた調整局面を回避しました。企業業績の堅調さが投資家心理を支え、今週も主要企業の好決算が続けば、回復がさらに拡大する可能性があります。ただし、10日移動平均線がやや下向きに転じており、重要な経済指標の発表も少ないため、短期的にはレンジ取引が最も現実的な戦略となりそうです。現在のレジスタンスは46,500、47,000、48,000、サポートは45,500、45,000、44,000、43,000に位置しています。
日本株
日経225は、米中貿易摩擦への懸念再燃と高市早苗氏の政権樹立能力への疑念から、週初に大幅安で始まりました。しかし、連立交渉の進展により投資家心理が回復し、徐々に持ち直しました。今週は高市政権誕生による利上げ抑制への期待感を背景に、上昇基調を維持し史上最高値を試す展開が見込まれます。レジスタンスは49,000円と50,000円、サポートは47,000円、46,000円、45,000円です。
ドル円(USD/JPY)
ドル円は、高市早苗氏が自民党総裁に選出された後の急騰が一服し、週の大半で下落しました。ただし、金曜日には150円付近の強いサポートを確認した後に反発しました。10日移動平均線が上向きを維持しているため、150円のサポートを守れる限り、今週は買い優勢の展開が予想されます。レジスタンスは152、153、153.30、サポートは150、149、148です。
金(ゴールド)
金は、世界的な不透明感と各国中央銀行の継続的な買い支えにより上昇を続けました。価格は過去最高値を更新し、多くのアナリストを驚かせています。現在、上部ボリンジャーバンドが唯一の有力なレジスタンスとして意識されており、一時的な利益確定の売りは避けられないものの、10日移動平均線を上回る限り上昇トレンドは維持される見通しです。レジスタンスは4,300ドル、4,400ドル、4,500ドル、サポートは4,200ドル、4,100ドル、4,000ドルです。
原油(WTI)
WTI原油は、供給過剰への懸念が続く中で投機的な売りが強まり、下落基調を維持しました。米国経済の減速懸念も重なり、センチメントは弱含みです。市場は60ドル割れを試す展開が予想され、下降する10日移動平均線付近で戻り売りが有効と見られます。レジスタンスは65、66.50、70、75ドル、サポートは60ドルと55ドルです。
ビットコイン(Bitcoin)
ビットコインは今月初めに過去最高値を更新した後、急速な清算が続きました。米中貿易摩擦再燃が売りの引き金となり、その後の下落モメンタムがさらなる売りを誘発しました。市場は弱気基調を維持しており、10万ドルの重要サポート割れを試す展開が予想されます。11万ドルのレジスタンスを下回る限り、戻り売り戦略が有効と見られます。レジスタンスは11万ドル、12万ドル、12.5万ドル、サポートは10万ドル、9.5万ドル、9万ドルです。
今週の注目イベント
月曜日:中国GDP、米国企業在庫・鉱工業生産
火曜日:欧州 ラガルドECB総裁発言
水曜日:日本貿易収支、英国CPI
木曜日:米国新規失業保険申請件数・中古住宅販売件数
金曜日:日本全国CPIおよびauじぶん銀行サービス業PMI、英国小売売上高、欧州HCOBユーロ圏製造業PMI、英国S&Pグローバル総合PMI、米国コアCPI、S&Pグローバル製造業PMI、ミシガン大学消費者信頼感指数、新築住宅販売件数
今週は主要経済指標の発表が少ないため、米国と日本の政治情勢に注目が集まりそうです。市場が株式上昇トレンドを再開できるか、また金価格の上昇が続くかが焦点となります。ビットコインは10万ドル付近のサポートを試す展開が予想され、さらなる売りの兆候が注目されます。経済指標は限られるものの、政治動向やFRBの政策期待が市場心理を左右する展開となるでしょう。
