Nick Goold
ゴールド
先週、中東の地政学的緊張が想定以上にエスカレートしなかったため、金価格は売り圧力にさらされた。この地政学的な面での相対的な落ち着きにより、投機筋はゴールドの強気ポジションを決済したようだ。通常、ゴールドは安全資産とみなされ、不確実性の高い時期にその魅力が増す。しかし、リスクからの保護に対する需要を喚起するような新たな展開がなかったため、投資家の関心が低くなり、価格下落の一因となった。
さらに金相場を圧迫したのは、パウエル米連邦準備制度理事会（FRB）議長が米国の金融政策について厳しい姿勢を示したことだ。パウエル議長は、FRBが継続する高インフレと闘うために利上げを継続する可能性を示唆した。金利上昇はドル高と米長期金利の上昇を招き、金の魅力を低下させる働きをする。
今週は、ゴールドが先月よりはるかに高い価格で取引されているため、もみ合いが続く可能性がある。今後発表される米消費者物価指数が予想を大幅に下回らない限り、下落圧力は続くかもしれない。現在の市場動向は、価格が移動平均線をかなり下回っているため、戻り高値を狙って売るのが賢明かもしれないことを示唆している。
レジスタンス：1984, 1946, 2000, 2050, 2070, 2080
サポート：1900, 1884, 1836, 1809
原油
原油価格は、主に中東における潜在的な供給障害に対する懸念の低下により、3週連続で下落した。ホワイトハウスは、イスラエルがガザ北部での軍事活動を毎日数時間停止することに合意したと発表した。この進展は、これまで原油供給の途絶を懸念する要因となっていた懸念の沈静化につながった。
さらに、米連邦準備制度理事会（FRB）のパウエル議長が、引き続き景気抑制圧力をかけ続けることを示唆するコメントを発表したことも、原油市場にマイナスの影響を与えた。パウエル議長のタカ派的な姿勢は、インフレ抑制に向けた取り組みの一環として、金利引き上げが視野に入っていることを示唆している。このような金利見通しと、それに伴う経済活動への影響の可能性は、原油需要見通しに影を落とした。市場心理は、世界最大のエネルギー消費国である中国の需要が減速しているとの指摘により、さらに弱まった。
しかし、来週の好転の兆しが見えている。原油価格は75ドル付近でサポートされている。この水準に注目した投機筋は、最近の価格下落が反転し、価格が再び上昇に転じることを期待して、市場に買いを入れる好機と考えるかもしれない。
レジスタンス：80.00, 85.10, 88.50, 94.00
サポート：75.00, 70.00
