Nick Goold
ゴールド
週明けの金は、前週からの上昇の勢いを引き継いだ。中東情勢の緊迫化に加え、10日移動平均線がサポートラインとして機能し、金価格は急騰した。週末を控えてトレーダーがショートポジションをカバーしたため、金曜日、節目となる2,000ドルの高値を付けた。
パウエルFRB議長の発言や堅調な米経済データを受けて米長期金利が一貫して上昇したにもかかわらず、ゴールド価格への影響は極めて限定的だった。地政学的な不透明感が安全資産への逃避を促し、需要の高まりとそれに伴うショートカバーにつながったことが主な要因である。
極めて重要な2,000ドルの大台にタッチしたゴールドは、先週のパフォーマンスを反映し、今週は調整局面から始まるかもしれない。しかし、トレーダーは慎重に行動することをおすすめしたい。最近の2週間で150ドルの急騰と2,000ドルのレジスタンスを考えると、中東の紛争が緩和すれば、金利上昇によって金価格の大幅下落を誘発する可能性もある。
レジスタンス：1984, 2000, 2050
サポート：1946, 1900, 1884, 1836, 1809
原油
中東情勢の緊迫化が投機買いに拍車をかけ、原油は先週も上昇基調を維持した。同地域からの現在の原油フローはほぼ安定しているものの、紛争激化の可能性と、それに伴う供給への影響に対する懸念が高まっている。重大な懸念は、中東が海上石油・ガス貨物の極めて重要な中継ルートとして戦略的に位置づけられていることである。このルートに混乱が生じれば、世界のサプライ・チェーンに大きな支障が生じ、原油価格がさらに上昇する可能性がある。
原油市場の強気心理をさらに増幅させているのは、米国の制裁をめぐる予測である。イランとハマスやヒズボラとの関係が知られていることから、米国はイランの原油輸出を厳しく制限する可能性があると予想し、市場関係者はその動向を注視している。地政学的要因に加え、米小売売上高が予想を上回ったことや、米原油在庫が450万バレル減少したことなど、良好な経済指標が原油需要への期待感を強め、今週は堅調な終値となった。
現在、原油相場は堅調な上昇トレンドにある。しかし、強気見通しのかなりの部分がすでに市場に織り込まれていることは注目に値する。市場は引き続き中東情勢の強気な展開に注目しているが、注意が必要だ。中東情勢が当面悪化しない限り、トレーダーは価格の反落を予想する方が賢明かもしれない。
レジスタンス：94.00, 100.00
サポート：88.50, 85.00, 82.50, 80.00, 78.50, 75.00, 70.00
