Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
先週の大きなニュースは、米国と日本の間で発表されたサプライズの貿易合意でした。この合意により、日本からの輸入品に対する関税が25%から15%に引き下げられることになります。この発表は日本の株式市場、特に自動車関連株を押し上げ、米国の株式市場も過去最高値を更新しました。米国企業の好決算も株高を支えました。
投資家のムードは全体的に前向きで、米国が他の国とも同様の合意を結ぶことへの期待が高まりました。経済指標はまちまちで、米国のサービス業PMIは予想を上回った一方、製造業は輸入コストの上昇に対応する中で低調でした。日本では、インフレ率が6月の3.1%から7月には2.9%にわずかに鈍化しました。
米ドルは週の初めに下落しましたが、利下げが予想よりも遅れるとの見方から回復しました。金価格は貿易不安で一時上昇しましたが、日本との合意発表後に下落しました。ビットコインは前週までの上昇を維持しながら、ほぼ横ばいで推移しました。
今週の市場
米国株
ダウ平均株価は先週わずかに上昇し、米日貿易合意と8月1日の締め切り前にさらなる合意が期待されたことで、過去最高値を更新しました。トランプ大統領とパウエルFRB議長の関係が落ち着いたことも市場心理を支えました。ただし、ダウの上昇はS&P500やナスダックに比べて弱く、短期的にはレンジ相場が続く可能性があります。今週は重要なイベントが多いため、ニュースへの対応が重要になります。中期的な見通しは依然として良好で、押し目買いが有効な戦略となります。サポートは44,000、43,000、42,000、レジスタンスは45,000、45,100、45,500です。
日本株
日本株は、与党が国政選挙で不調だったことを受けて週初に下落圧力を受け、首相辞任の観測が広がりました。しかし、米日貿易合意のサプライズ発表を受けて市場は急反発しました。詳細は限られていたものの、好材料と受け止められ、日経平均株価は40,000円を突破して過去最高値に迫りました。短期的には過熱感があり、今週は調整の可能性がありますが、中期的には貿易合意を背景に強気の見通しが続き、40,000円付近での押し目買いが有効と見られます。レジスタンスは42,000円、42,500円、43,000円、サポートは40,000円、39,000円、38,000円です。
ドル円
ドル円は週初に売りが入り、5月高値付近のレジスタンスが意識されて弱含みましたが、米日貿易合意のサプライズで市場心理が改善し、米長期金利も上昇したことで、週末には下げ幅をほぼ取り戻しました。今週はFRBと日銀の金融政策決定会合があり、重要な週となります。日銀は年内の利上げの可能性を示唆しており、ドル円には下押し要因ですが、短中期ともにレンジ相場が続いています。レジスタンスは148、149、サポートは146、145です。
金
金価格は先週初めに上昇し、5月と6月の重要レジスタンスを試す動きを見せましたが、米日貿易合意の発表を受けて一転下落し、週末にはほぼ横ばいで終えました。短期的には一時的な下落となりましたが、中期的には依然として底堅く、押し目買いが有効と見られます。短期的にはレンジ取引が続くと予想され、レジスタンスは$3,400と$3,450、サポートは$3,300と$3,250です。
原油
原油は先週、狭いレンジでやや下落し、次の大きな動きを探る展開となりました。米日貿易合意を受けて一時上昇しましたが、上昇は続かず、週末には安値圏で終了しました。10日移動平均線が下向きに転じており、短期的には売り戦略が有効と見られます。重要な水準に変更はなく、レジスタンスは$70、$75、$80、サポートは$65、$60です。
ビットコイン
ビットコインは先週、急騰後の利益確定売りにより下落しました。ただし、$115,000のサポートはしっかりと機能しており、米国政府の継続的な支援も投資家心理を支えています。短期的には10日移動平均線が横ばいで推移しており、レンジ取引が最適な戦略と考えられます。中期的には強気の見通しが維持されており、さらなる上昇も期待されます。レジスタンスは$125,000と$150,000、サポートは$115,000、$110,000、$105,000です。
今週の注目
火曜日:米国CB消費者信頼感指数、JOLTS求人件数
水曜日:豪州CPI、EU GDP、米国GDP、米国FOMC
木曜日:中国製造業PMI、日銀金融政策声明、EU失業率、米国コアPCE物価指数、シカゴPMI
金曜日:豪州PPI、EU CPI、米国非農業部門雇用者数、ISM製造業PMI、ミシガン大学消費者信頼感指数
今週は複数の重要イベントが予定されており、市場が大きく動く可能性があります。FRBと日銀が政策金利を決定する会合を開きますが、いずれも現状維持が予想されています。そのため、今後の金融政策に関する発言内容に注目が集まります。
最も重要な経済指標は金曜日に発表される米国雇用統計です。それ以前にも、特に米日間の貿易協議に関するニュースが注目されており、8月1日の関税期限を控え、市場に大きな影響を与える可能性があります。