石田 和哉
30日の米国市場は終値で最高値を更新する展開となった。
30日に発表された米7月PCE価格指数が前年比+2.5%と前月と変わらずとなった事が大幅利下げ観測を後退させ、その影響でアマゾンやテスラに買いが入る流れが市場を押し上げる形となっている。
利下げ観測で上げ、大幅利下げ観測の後退で上げと経済指標やイベント、中央銀行の施策への反応が従前とは異なる展開が多く、どれが材料となるのか、心理にどのような影響を与えるのか見えにくい状況となっている様だ。
ニューエッジ・ウェルスの最高投資責任者キャメロン・ドーソン氏は米経済のソフトランディングの兆候が改めて示された」とし、「冷え込みもなく、過熱もない『ゴルディロックス』的な適度な状況で、市場はまさに望んでいたものを手に入れた」と語った。
(米ダウ推移)
(Reutersより)
9月1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
9月3日(火)
23:00 米国 8月ISM製造業景況指数
9月4日(水)
10:30 豪国 4-6月期四半期国内総生産(GDP)(前期比)
10:30 豪国 4-6月期四半期国内総生産(GDP)(前年同期比)
9月5日(木)
21:15 米国 8月ADP雇用統計(前月比)
23:00 米国 8月ISM非製造業景況指数(総合)
9月6日(金)
18:00 ユーロ 4-6月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前期比)
18:00 ユーロ 4-6月期四半期域内総生産(GDP、確定値)(前年同期比)
21:30 米国 8月非農業部門雇用者数変化(前月比)
21:30 米国 8月失業率
21:30 米国 8月平均時給(前月比)
21:30 米国 8月平均時給(前年同月比)
21:30 カナダ 8月新規雇用者数
21:30 カナダ 8月失業率
日米市場
日本市場は60日線、100日線に接触、上値を抑えられるのかどうかとなっている。
9月15日にオプションSQ を迎える事から15日までに60日、100日線を上回り安定するようであれば、年末にかけての展開は安定しそうだ。
逆に60日100日に到達せず、ずるずると横這い、下降、上値を抑えられる展開となるようであれば上値を抑えられる形で年内にかけて弱い展開となりそうだ。
米国市場は9月の利下げが現実のものとなるのかどうか?では大きく相場の流れが変化する可能性もあり、9月は日米市場にとって年内の展開を占い重要な月となるだろう。
混乱期を抜け出したがまだ先の見えない日本市場、好調な展開を見せるが経済指標、利下げと不確定要素のある米国、ともに展開を見極めていきたいところだ。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州市場は過去最高値を更新、英国市場は3か月ぶり高値を更新する。
欧州市場はユーロ圏のインフレ率、8月のユーロ圏消費者物価指数の前年同月比の上昇率の鈍化を受けて、ECBが追加の利下げを行うのでは?との観測が強まり値を上げる展開となった。
ECB理事会メンバーのビルロワドガロー仏中銀総裁は、ECBが9月に追加利下げを決定するのが「賢明」と述べるなどしている。
英国市場も同様にECBによる追加利下げの可能性が浮上すると不動産株関連を中心に買いが入り、FTSE100種は3か月ぶりの高値となり週を終えた。
(英FTSE250推移)
(Reutersより)
今週の為替(AUD/USD)
AUD/USD4時間足について解説したいと思う。
AUD/USD4時間足は上昇トレンド継続中であるのか、ここからのレンジ相場~次のトレンド形成かが分からない部分となっているが、ここからレンジとなった場合にはピンク枠の高値から23.6%、直近の上昇トレンドでつけたトレンド転換の可能性(4波と5波での安値)が23.6%付近である事から、23.6%価格である0.67000付近を意識してのレンジとなるのか38.2%となる0.60380付近にまで値を下げるのかといったところとなっている。
仮に上昇トレンドが終わり、調整波となった場合にはa-c波で38.2%~を意識する形となる可能性が高いことから下値に関しては赤枠での推移の可能性が高くなりそうだ。
レンジに入ればレンジ抜け=トレンド転換と捉える事もできる事からレンジとなるのか、トレンド継続となるのかを見極めながらトレードの展開を構築していきたいところとなっている。
また、30分足で観た場合にはレンジを形成しており、短期的には下抜けとなった可能性がある。
0.67500がレンジの下として意識されており、その部分を抜けてきていることから下抜けがある程度固まれば、0.67500が上値抵抗線へと変化、23日に0.67300から0.67800へと大きく動いた上昇幅を昇華する動きとなりそうだ。