石田 和哉
12日の米国市場はハイテク銘柄が値を上げる展開となり、マイクロソフト、テスラなどが上昇、ナスダック総合は最高値を更新する展開となった。
主要3指標は軒並み値を上げており、米国市場は好調な展開となっている。
16-17日に開催される米FOMCに注目が集まっているものの、利下げを行うとの見方が多勢を占めており市場は買い優勢の流れとなっている。
CFRAリサーチのチーフ投資ストラテジスト、サム・ストーバル氏は「17日まで新たなデータは発表されず、様子見の姿勢が続くだろう」と述べるなどした。
FOMCでの利下げとその後のパウエル議長演説で利下げを行った際のシナリオ、景気後退に対して悲観的となるのか、そうでないのか次第では17日以降の米国市場動向が大きく変化する可能性もあり、17日までは様子見が多勢を占めながらも値を下げる材料に事欠くじりじりとした展開となりそうだ。
(米ダウ推移)
(Reutersより)
9月3週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
9月16日(火)
21:30 米国 8月小売売上高(前月比)
21:30 米国 8月小売売上高(除自動車)(前月比)
9月17日(水)
18:00 ユーロ 8月消費者物価指数(HICP、改定値)(前年同月比)
18:00 ユーロ 8月消費者物価指数(HICPコア指数、改定値)(前年同月比)
27:00 米国 連邦公開市場委員会(FOMC)、終了後政策金利発表
27:30 米国 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長、定例記者会見
9月18日(木)
20:00 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
20:00 英国 中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
9月19日(金)
--:-- 日本 日銀金融政策決定会合、終了後政策金利発表
08:30 日本 8月全国消費者物価指数(CPI)(前年同月比)
08:30 日本 8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品除く)(前年同月比)
08:30 日本 8月全国消費者物価指数(CPI、生鮮食料品・エネルギー除く)(前年同月比)
15:30 日本 植田和男日銀総裁、定例記者会見
日本市場
日本市場は44,768.12円で週を終えており、週間では+1,317.05円となっている。
日本市場は日米の中央銀行が相次いで金融政策を発表する週を目前に、米国では金利の引き下げがほぼ確実視されるなど市場にとって追い風となる展開となっている。
最高値の更新が続く日経平均株価は上値を試す展開になると思われ、自民党総裁選をめぐる動き、米国市場動向、中央銀行による金融政策の内容などで市場はさらに一段高の可能性も出ている。
FOMCでのパウエル議長の金利引き下げのシナリオが景気後退を懸念するものであった場合には逆風となる可能性もあるが、17日までは上値を追う展開となりそうだ。
(日経平均推移)|
(Reutersより)
欧州市場
欧州・英国市場共に週末金曜日は値を下げる形で週を終えた。
週間ベースでは欧州STOXX600は1.03%高、英FTSE100種は0.82%高となっており、米FRBによる利下げ観測、それに伴う金価格の上昇などが市場の牽引材料として意識された形となっている。
FRBが年内に複数回の利下げを行うのでは?との憶測も強くなった事も投資家心理を底支えする形となっている。
16-17日にかけて開催されるFOMCでのパウエル議長発言が利下げに対するシナリオがどの様なものとなるのか?次第では大きく値が動く可能性もありそうだ。
(STOXX欧州600推移)
(Reutersより)
今週の為替(EUR/CAD)

EUR/CAD4時間足について解説したいと思う。
今回は経済指標とシナリオという観点から解説していきたいと思う。
EUR/CADはECB・BOEの欧州要因とリスク回避銘柄のCADで動いている。
今週はFOMC、日銀、BOE、CPIなどの重要イベントが目白押しとなっており、FOMCがハト派、かつBOEがハト派であればユーロの買戻し優勢であり、その場合には押し目買いとなり、1.6280超えで買い目線となる。
逆にFOMCがタカ派、かつBOEもタカ派であった場合にはユーロ売り、1.6170割れで売り目線となりそうだ。
イベント発表後はスプレッドが拡大する。
原油価格や株式市場のリスク回避の動きには注意したいところだ。