石田 和哉
31日の米国市場は30日に発表したアマゾンの第4四半期決算が市場予想を上回る展開となったこと、同社が人員整理を進めているなかでAIがそれらに置き換わるのでは?という期待などもあり、市場を牽引する材料となった。
市場自体は好調な展開となっているが、12月に開催されるFRBの会合で利下げに対して慎重な姿勢を示しているとの見方もあり投資家心理は大きく改善されている状況ではなさそうだ。
D・A・ダビッドソンのウエルス・マネジメント調査ディレクター、ジェームズ・ラガン氏は、市場を動かす主要な要因は昨日とほぼ同じだと指摘し、「決算は予想をやや上回ったものの、FRBのややタカ派的な発言により動きが抑制されている」と述べるなどしている。
(米ダウ推移) 
(Reutersより)
11月第1週の注目ポイント(経済指標)
時間表記:日本時間
11月3日(月)
24:00 米国 10月ISM製造業景況指数
11月5日(水)
08:50 日本 日銀金融政策決定会合議事要旨
22:15 米国 10月ADP雇用統計(前月比)
24:00 米国 10月ISM非製造業景況指数(総合)
11月6日(木)
21:00 英国 イングランド銀行(BOE、英中央銀行)金利発表
21:00英国 英中銀金融政策委員会(MPC)議事要旨
11月7日(金)
22:30 米国 10月非農業部門雇用者数変化(前月比)
22:30 米国 10月失業率
22:30 米国 10月平均時給(前月比)
22:30 米国 10月平均時給(前年同月比)
日本市場
日本市場は52,441.34円で週を終えており、週間では2,505.54円高、1か月では7,860円の上昇となっている。
日本市場は大台の5万円台にあっけなく到達するとその後も上昇基調は変わらず、52,000円台での推移、1か月で7,000円を超える上昇となっている。
日経平均の上昇は一部の銘柄が日経平均を押し上げていると指摘されており、52,000円台と5万円台を大きく超えた日経平均と日本の経済状況を一致させることが難しくなってきている。
ITを中心とした半導体株とそれ以外の株の上昇率に大きな差が出てきており、半導体バブルがどこで調整となるのか?そのまま続くのか?なかなか手を出しにくい相場になりつつあるようだ。
(日経平均推移)
(Reutersより)
欧州市場
欧州・英国市場共に値を下げる展開となった。
月間ベースでみると英国市場は3.92%、STOXX欧州600は2.46%の上昇となっている。
米国での利下げや米中貿易摩擦の緩和などが好調な展開の背中を押した形となっている。
英国では10月住宅価格が上昇、欧州では10月インフレ率が2%とECBの計画通りに推移しており比較的堅調、堅実な経済活動が成されていると投資家の安心も上昇の要因の1つとなっているようだ。
(STOXX欧州600推移)
(Reutersより)
今週の為替(EUR/CHF)

EUR/CHFの4時間足について解説したいと思う。
EUR/CHFの4時間足上ではトレンド転換の可能性が見て取れる。
10月下旬にかけて下降トレンドの第5波までを形成したEUR/CHFはa波が10月21日から23日、b波が23日から25日、c波が25日~となっており、調整波c波の展開次第ではありが、上昇トレンドへと転換する可能性を差し示している。
一目均衡上でも基準線を上抜けたことで強気のサインが出ており、雲のねじれも発生していること、雲を上抜けていることから上昇と転じる可能性の強い部分となっている。
0.9300付近が前回の高値でありc波の到達予定地点、現在値付近の0.9285は戻り調整となり0.9255はサポートライン、0.9220は下値支持線となりそうだ。
