Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
中東での緊張が先週の市場を支配しました。イスラエルがイランを攻撃した後、米国もイランの主要な核施設3か所に対して空爆を行いました。これにより週初に原油価格が急騰し、供給不安から高値を維持しました。中東情勢の悪化により、米国と日本の株式市場はわずかに下落し、投資家の慎重姿勢が強まりました。
経済ニュースも弱い内容でした。米国の小売売上高は予想を下回り、関税の影響で消費が落ち込んでいる可能性が示されました。FRB(米連邦準備制度)は金利を4.25%~4.5%に据え置きましたが、2025年後半に2回の利下げの可能性を示唆しました。同時に、インフレ率と失業率の見通しも引き上げられました。日銀も政策を据え置いたことで、米ドルは特に円に対して強含みました。

金価格は週初に中東の緊張を受けて安全資産として上昇しましたが、米ドルの上昇により売りが入り、上昇は止まりました。ビットコインは10万ドル付近まで下落し、投資家がリスク資産を手放す動きが見られました。
今週のマーケット
米国株
ダウは先週わずかに下落しました。中東情勢への懸念と、43,000の上値抵抗を繰り返し突破できなかったことが売りにつながりました。米国の経済指標は予想を下回る結果が続いており、FRBが利下げを急いでいないことから、今週も下押し圧力がかかる可能性があります。センチメントがさらに悪化すれば、42,000のサポートを下回る展開も考えられます。レジスタンスは43,000と44,000、サポートは42,000、41,500、41,000です。
日本株
日経平均は先週、円安を受けて上昇を試みました。日銀が長期金利の抑制姿勢を示したことが背景です。しかし、米国との貿易協定交渉の遅れがセンチメントを悪化させています。円安は株価の支えとなる可能性がある一方で、中東の不安定な状況が上昇の抑制要因となるでしょう。今週はレンジ内での取引が有効と見られます。サポートは37,500円、36,500円、36,000円、レジスタンスは38,800円、39,000円、40,000円です。
ドル円(USD/JPY)
ドル円は先週、146のレジスタンスを上抜けしました。FRBの会合後、パウエル議長が年内に2回の利下げを見込むと発言したことで、米ドルが反発しました。一方、日銀は日本経済への懸念から利上げを急がない姿勢を示しています。金融政策とテクニカルの両面から上昇基調が続く見通しで、押し目買いが有効な戦略となりそうです。レジスタンスは148.00と150.00、サポートは146.00、145.00、142.00です。
金
金は週初、中東でのイスラエルとイランの対立が激化したことを受けて強く上昇しました。しかし、5月の高値を超えることができず、ボラティリティの高い中で利益確定の売りが出ました。地政学リスクが続く中、押し目買い戦略は今週も有効と見られます。サポートは3,400ドル、3,300ドル、3,250ドル、レジスタンスは3,450ドルと3,500ドルです。
原油
原油は、週末に始まったイスラエルとイランの激しい戦闘を受けて、週初に大きく上昇しました。短期的な過熱感から利益確定の動きも見られましたが、米国の中東介入により供給リスクが一段と高まり、再び買いが入りました。高いボラティリティが続いており、短期的には買い・売り双方にチャンスがあります。中期的には押し目を待っての買い、または高値圏での売りが有効と考えられます。レジスタンスは80ドル、85ドル、88ドル、サポートは65ドルと60ドルです。
ビットコイン
中東の戦闘激化によりリスク回避姿勢が強まり、ビットコインは下押しされました。米国のイラン空爆の報道を受けて、週末には10万ドル付近まで下落しましたが、その水準では強い買いが入りました。短期的には弱含みが続く可能性がありますが、ショート戦略が有効になる局面もあるでしょう。中期的には95,000ドルを維持すれば上昇トレンドは継続と見られます。サポートは100,000ドルと95,000ドル、レジスタンスは110,000ドル、112,500ドル、115,000ドルです。
今週の注目ポイント
月曜日:EU PMI、英国PMI、米国PMI
火曜日:英国 イングランド銀行ベイリー総裁の講演、米国消費者信頼感指数、パウエルFRB議長の議会証言
水曜日:米国新築住宅販売件数
木曜日:米国耐久財受注、米国GDP、米国住宅販売保留指数
金曜日:日本 東京CPI、英国GDP、米国コアPCE物価指数、米国ミシガン大学消費者信頼感指数
今週は中東の情勢が注目されており、米国によるイランの核施設への爆撃に対するイランの対応が注視されています。緊張がさらに高まれば、原油供給に支障が出る可能性があり、原油価格が上昇する恐れがあります。これによりリスク選好が低下し、世界の株式市場に下押し圧力がかかる一方、安全資産である金には買いが入ると見られます。
米国では、パウエルFRB議長が下院金融サービス委員会で証言する予定であり、これは市場に影響を与える重要なイベントです。トランプ大統領が引き続き利下げを求めている中、その発言内容に注目が集まります。一方、日本は引き続き米国との貿易協定を目指していますが、トランプ大統領が他の国際問題に集中しているため、交渉は停滞しています。
