手堅いニック式取引戦略

月曜特別版

ニック・グールドがお届け

株式市場は先週急騰し、ナスダックとS&P500は過去最高値を更新、日本の日経平均株価も再び40,000円を超えました。イスラエルとイランの停戦により中東情勢の緊張が緩和され、供給不安が和らいだことで投資家心理が改善し、原油価格は10%以上下落しました。中東の緊張緩和により安全資産需要が減少し、金価格も下落しました。

米国の経済指標は予想を下回りました。GDP成長率と耐久財受注はいずれも予測を下回り、景気への懸念が高まりました。トランプ前大統領は引き続きFRBに利下げ圧力をかけており、米ドルは下落、ドル指数は2025年の最安値を記録しました。長期米国債も下落が続いています。

ビットコインは10万ドルまで下落した後に反発し、リスク選好の改善により投資家は再びリスク資産に戻り始めました。地政学的緊張の緩和と米国成長への懸念の高まりを受けて、市場は今後のFRBの動きと世界的な経済指標に注目しています。

今週のマーケット

米国株

米国株は先週、大きく上昇しました。中東の停戦と米国の利下げ期待の高まりが投資家心理を支えました。予想を下回る経済指標とトランプ前大統領による利下げ圧力も株式市場にとっては好材料と見なされました。市場は重要な43,000の水準を突破し、上昇トレンドが続く見通しです。レジスタンスは44,000、その次に45,000、サポートは43,000、42,000、41,500に位置しています。

日本株

日経225は先週、39,000円の水準を突破して急騰しました。7月8日の関税交渉期限を控えて米日間の協議は継続中ですが、米国株の上昇と日銀の利上げ先送り観測が日本株の買いを後押ししました。上昇は継続する可能性があり、次のレジスタンスは41,000円、次いで42,000円です。サポートは40,000円、39,000円、38,000円にあります。

ドル円（USD/JPY）

ドル円は先週の始まりにかけて中東情勢の緩和を受けて上昇しましたが、148円で強いレジスタンスに直面し、反転しました。米国の経済指標の弱さとトランプ前大統領の利下げ圧力により長期金利が低下し、ドル全体が弱含みました。テクニカル指標は横ばいを示しており、今週は回復からのレンジ相場が予想されます。レジスタンスは145円、146円、148円、サポートは144円、143円、142円です。

金

先週の金価格は、中東情勢の緩和により売り圧力を受けて下落しました。米国株の力強い上昇がリスク選好を高めたことも、金への需要を弱めました。金は1ヶ月以上ぶりの安値で週を終え、大幅下落後の今週は横ばいの展開が予想されます。サポートは$3,250と$3,200、レジスタンスは$3,300、$3,350、$3,400です。

原油

米国の仲介によりイスラエルとイランの緊張が緩和されたことで、原油価格は急落し、紛争前の水準まで下落しました。投機筋による急激な売りが相場を押し下げましたが、以前のレジスタンスであった$65付近で下げ止まり、ボラティリティも大きく低下しました。状況は依然として不安定なため、押し目買いのチャンスを狙う戦略が有効です。サポートは$65と$60、レジスタンスは$70、$75、$80です。

ビットコイン

ビットコインは$100,000のサポートから力強く反発し、中東情勢の緩和とともに投機筋の買いが急速に戻りました。週末にかけてリスク選好の改善が続き、買いが継続しました。短期・中期ともに強気の見通しが続いており、$110,000を試す動きに向けて買い場を探るのが今週の戦略として有効です。レジスタンスは$110,000、$112,500、$115,000、サポートは$105,000、$100,000、$95,000です。

今週の注目ポイント

月曜日：英国GDP、米国シカゴPMI
火曜日：日本短観調査、英国PMI、欧州CPI、米国パウエルFRB議長の発言、米国製造業PMI
水曜日：欧州ラガルドECB総裁の発言
木曜日：米国雇用統計、米国非製造業PMI
金曜日：米国独立記念日（祝日）

今週は目立ったニュースが少なく、静かなスタートが予想されます。市場は、来週の関税凍結期限を前に、米日貿易交渉の進展を待っています。米国では、独立記念日が金曜日にあたるため、雇用統計は木曜日に発表されます。

中東情勢も引き続き注目されており、再び緊張が高まるかどうかが焦点となりますが、直近の落ち着きにより懸念はやや後退しています。現在の市場の最大の関心は、次の米国利下げのタイミングです。火曜日のパウエルFRB議長の発言に注目が集まり、利下げ時期の手がかりが得られる可能性があります。