Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
先週はイラン情勢の長期化懸念やホルムズ海峡での供給混乱リスクが意識され、金融市場には引き続き下押し圧力がかかりました。原油価格は供給リスクへの警戒から大きく変動し、100ドル付近を何度も試す展開となりました。同時に、米国の生産者物価指数(PPI)が予想を上回り、インフレが高止まりする懸念が一段と強まりました。
市場の見方にも変化が見られます。これまでの利下げ期待に代わり、米国の利上げ観測が織り込まれ始めています。米国株式市場はインフレと金利上昇への警戒感から4週連続で下落しました。米連邦準備制度と英国中銀はいずれも予想通り金利を据え置きました。

日銀も政策金利を据え置きましたが、植田総裁の発言は将来の利上げにやや前向きと受け止められ、円を一時的に支えました。金はドル高の影響を受けて5,000ドルを下回り、投機的な売りが加速したことで約10%下落しました。
今週の市場
米国株
イラン情勢が続く中、株式市場は引き続き下落圧力を受けやすい状況です。米国のインフレ期待の上昇と利上げ観測がさらなる下押し要因となっています。現時点では売り戦略が優勢ですが、すでに弱気トレンドにあるため、安値追いではなく10日移動平均線付近までの戻りを待ってから売りを検討する方が適切です。レジスタンスは46,500、47,500、48,000、サポートは45,000、44,500、44,000、43,500です。
日本株
日経平均は原油価格の上昇と米株安の影響を受け、年初来安値付近で引けました。さらに日銀の将来的な利上げ示唆も市場の重しとなっています。短期的には売り戦略が有効で、51,000を下抜ければ一段安の可能性があります。一方で、10日移動平均線への戻りは売りの好機となる可能性があります。レジスタンスは53,000、54,750、56,000、57,000、58,000、サポートは51,000円、50,000円、49,000円です。
ドル円
ドル円は原油高を背景に上昇し、160付近のレジスタンスを試しましたが、日銀による明確な介入は見られませんでした。介入可能性に関する発言で一時的に下落しましたが、その後回復し、10日移動平均線の上で週を終えたことで短期的には上昇バイアスが維持されています。短期的には158〜160のレンジ取引が有効と見られます。レジスタンスは160、162、165、サポートは158.50、158.00、156.50です。
金
イラン情勢にもかかわらず金は上昇できず、ドル高の影響で5,000ドルのサポートを割り込んだ後、投機筋の売りが加速し大きく下落しました。現在は明らかに売られ過ぎの状態にあり、短期的な反発の可能性がありますが、4,400ドル付近の年初来安値を下抜けるとさらなる下落につながる可能性があります。レジスタンスは4,700、4,850、5,000、5,100、サポートは4,400、4,300、4,200、4,100、4,000です。
原油
イラン情勢の継続と供給懸念により、100ドル付近がレジスタンスとして意識され上昇は抑えられていますが、価格は10日移動平均線の上を維持しており、上昇基調は継続しています。この水準を維持する限り、押し目買い戦略が有効と考えられます。レジスタンスは100、110、120、125、130、サポートは90、80、75、70、67.5です。
ビットコイン
ビットコインは価格の安定を背景に投機的な買いが入り、75,000付近のレジスタンスを試す展開となりました。しかし米株安によりリスク選好が低下し、65,000〜75,000のレンジ中央付近で引けました。短期的にはレンジ取引が引き続き有効です。レジスタンスは75,000、80,000、85,000、サポートは65,000、60,000、55,000です。
今週の注目材料
月曜日:米国 建設支出
火曜日:日本 全国CPI、S&PグローバルサービスPMI、ユーロ圏 製造業PMI、英国 サービスPMI、米国 製造業PMI
水曜日:日本 金融政策決定会合議事要旨、豪州 CPI、英国 CPI、米国 経常収支
木曜日:日本 日銀コアCPI
金曜日:英国 小売売上高、米国 ミシガン大学消費者信頼感
今週の最大の焦点はイラン情勢です。トランプ大統領が目標達成に近づいていると発言している一方で、市場は戦争の長期化を織り込み始めています。株式市場は継続的に弱含んでおり、原油価格が100ドルを上抜けた場合、さらなる悪材料でパニック売りが起こる可能性があります。
今週は重要な経済指標は比較的少ないものの、各国の製造業PMI、日本の金融政策議事要旨、米国の消費者信頼感などが注目されます。インフレと成長見通しの変化を見極めるため、市場はこれらの指標を慎重に分析する見込みです。
