Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
夏場の取引が本格化する中、先週の市場は比較的落ち着いた1週間となりました。最大の注目材料は米国のインフレ指標で、CPIは市場予想通り、PPIは予想をやや下回りました。インフレ指標がやや弱かったことで米国の追加利上げ観測は後退し、9月のFRB利上げ確率は週前半の約52%から約32%まで低下しました。
一方、米国の消費関連指標には弱さが見られました。小売売上高と消費者信頼感はいずれも予想を下回り、7月の小売売上高は前月比0.6%減と、2025年5月以来最大の落ち込みとなりました。USD/JPYは買いが戻ったことに加え、日本による再度の為替介入への警戒感が後退したことで、週前半に上昇しました。米国株はほぼ横ばいで週を終えた一方、日本株は回復基調を維持しました。

また、日銀が早ければ9月にも利上げに踏み切るとの観測が強まりました。一方、中東情勢の緊張が続く中、WTI原油は再び上昇し、ホルムズ海峡を通じた原油供給が混乱する可能性への警戒も続いています。
今週のマーケット
米国株
先週のダウは比較的落ち着いた動きとなり、予想を下回る米国の経済成長や消費者信頼感が株価の重しとなって小幅に下落しました。週足終値が10日移動平均線を下回ったことで、短期的なトレンドは弱まりつつあり、今週はさらに下落する可能性があります。レジスタンスは54,500、55,000、56,000。サポートは53,000、52,500、51,500、51,000、50,000です。
日本株
円安とAI関連株への継続的な買いを背景に、先週の日経平均は回復基調を維持しました。ただし、短期的にはやや買われ過ぎの状態にあるため、週前半は売りのチャンスを探すトレーダーもいるでしょう。中期的には、10日移動平均線付近までの押し目を待って買いを検討する戦略が考えられます。レジスタンスは69,500、70,000、71,000。サポートは67,000、66,000、65,000、64,000、63,000です。
USD/JPY
USD/JPYは最近の回復基調を維持し、WTI原油の上昇とともに買いが強まったことで、先週は力強いスタートとなりました。しかし、米国のインフレ指標が予想をやや下回ったことや、日銀が9月に利上げするとの観測が強まったことで、その後の上昇は抑えられました。10日移動平均線は再び上向きとなり、サポートとして機能しているため、今週は下落局面での買いが有効な戦略となる可能性があります。レジスタンスは160.00、161.00、162.00、164.00、165.00。サポートは158.50、158.00、157.00、156.00、155.00、154.00です。
金
予想を下回る米経済指標を受けて米国の利上げ観測が後退したことから、先週の金価格は引き続き上昇しました。金の見通しは依然として強気ですが、ここまで大きく上昇しているため、短期・中期のトレーダーともに、上向きの10日移動平均線付近までの押し目を待ってから買いを検討する方がよいでしょう。レジスタンスは4,400ドル、4,450ドル、4,500ドル、4,600ドル。サポートは4,200ドル、4,150ドル、4,050ドル、4,000ドル、3,950ドルです。
原油
週末に米国とイランの緊張が高まったことを受け、WTI原油は先週を力強くスタートしました。トランプ大統領が戦争終結に向けてイランへの圧力を強めるため、新たな経済制裁を導入したこともあり、原油価格は週を通して上昇しました。緊張緩和に向けた進展がほとんど見られないことから、今週も原油価格は横ばいから上昇方向の動きとなる可能性があります。レジスタンスは75ドル、80ドル、90ドル、95ドル、100ドル。サポートは75ドル、67.50ドル、65ドル、60ドルです。
ビットコイン
先週初めに65,000ドルのレジスタンス突破に再び失敗したビットコインは、その後も売り圧力を受け、月間安値に向けて徐々に下落しました。取引への関心が低く、市場は引き続き静かなため、今週も大きな値動きは期待しにくいかもしれません。64,000ドルを上回る水準では売り、62,000ドル付近では買いを狙うレンジ取引が有効となる可能性があります。レジスタンスは65,000ドル、75,000ドル、80,000ドル、85,000ドル、90,000ドル。サポートは62,000ドル、60,000ドル、55,000ドル、50,000ドルです。
今週の注目材料
月曜日:日本 GDP・鉱工業生産、中国 鉱工業生産・失業率・小売売上高、米国 NY連銀製造業景気指数
火曜日:英国 失業率、EU ZEW景況感指数、米国 住宅着工件数・鉱工業生産
水曜日:英国 CPI、EU CPI、米国 FOMC議事要旨
木曜日:日本 貿易収支、豪州 失業率、米国 フィラデルフィア連銀製造業景気指数・景気先行指数
金曜日:日本 全国コアCPI・S&Pグローバル サービス業PMI、英国 小売売上高、EU HCOBユーロ圏製造業PMI、英国 S&Pグローバル製造業PMI、米国 S&Pグローバル製造業PMI
今週は米国の主要経済指標の発表が比較的少ない一方、中東からの原油供給回復に向けた動きが続く中、市場は中東情勢を引き続き注視するでしょう。供給にさらなる混乱が生じれば、原油価格が上昇し、インフレ懸念が再び強まる可能性があります。また、ここ数週間で9月のFRB利上げ観測が大きく変化していることから、FOMC議事要旨にも注目が集まります。

