Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
先週後半、米CPIとPPIが市場予想を上回ったことを受け、米国株は下落しました。これにより、米インフレが高止まりするとの懸念が強まり、米長期金利は上昇しました。金利上昇は株式市場にはマイナスとなりましたが、米ドルを支える要因となりました。
ドル円は、米ドル高と円安を背景に上昇しました。日本当局による明確な円買い介入の兆候は見られませんでした。一部の米当局者は、円を支えるには日本の金利上昇の方がより効果的だと示唆しました。また、日本の10年国債利回りは2.72%まで上昇し、1997年以来の高水準となりました。投資家は、日本の巨額の政府債務への懸念を強めています。

交渉が前向きな結果につながらず、供給不安が続いたことで、WTI原油は再び100ドルを上回りました。英国では、首相への支持低下を受けて政治的不透明感が強まり、ポンドが売られました。その結果、ポンドドルとポンド円は週安値付近で取引を終えました。金も、米ドル高によって需要が低下し、下落しました。
今週のマーケット
米国株
ダウは年初来高値付近で引き続き上値を抑えられる一方、テクノロジー株は投資家から引き続き選好されました。しかし、米インフレ懸念をきっかけとした金曜日の急落により、指数は10日移動平均線を下回りました。これは、テクニカル面ではややネガティブなサインです。今週は、横ばいから下落方向の展開が最も想定されます。主要な経済指標は少ないため、市場の注目は引き続きインフレ見通しに集まりそうです。強いサポート付近での買い機会は残るものの、売り圧力が続く場合は慎重な対応が必要です。レジスタンスは50,000、50,500、51,000です。サポートは49,000、48,500、48,000、47,000、46,000です。
日本株
日経225は新たな過去最高値を付けたものの、米国株の下落が投資家心理を悪化させ、先週は下落して取引を終えました。弱い円を支えるために日本の政策金利が引き上げられる可能性への懸念も、日本株の重しとなりました。指数はここ数週間で大きく上昇しましたが、現在は10日移動平均線を下回っており、今週は横ばいから下落方向の値動きがより想定されます。レジスタンスは63,000、64,000、65,000、66,000、67,000です。サポートは61,000、60,000、58,500、57,000です。
ドル円
ドル円は、予想を上回る米インフレ指標を受けて米国と日本の長期金利差が拡大し、買いが強まったことで非常に強い一週間となりました。高いWTI原油価格も円の重しとなりました。日銀が過去に介入した水準である158円を上回ったものの、今回は明確な介入の兆候は見られませんでした。日銀は、円安を止めるために利上げが有効かどうかを検討する可能性がありますが、それは日本経済にリスクをもたらす可能性もあります。先週の上昇は多くのトレーダーを驚かせましたが、ここからのさらなる上昇は難しくなる可能性があります。今週は、160円手前での売り機会を探すのがよいアプローチとなりそうです。レジスタンスは159.00、160.00、160.50です。サポートは158.00、157.00、156.00、155.00、154.00です。
金
米長期金利の上昇と米ドル高は先週の金相場にとってマイナスとなり、金は下落し、金曜日には大きく売られました。金は4月安値付近のサポートを維持しているため、現時点ではレンジ相場が続いています。短期的にはやや売られ過ぎ感があるため、サポートが維持される可能性があります。ただし、米ドル高と米長期金利の上昇がさらに続く場合、急落リスクは高まりつつあります。レジスタンスは4,750ドル、4,900ドル、5,000ドル、5,100ドルです。サポートは4,550ドル、4,500ドル、4,400ドルです。
原油
イランでの戦争に明確な結論が出ないまま、今週も関連ニュースが続きました。中東からの供給が限られていることもあり、WTI原油は100ドルを上回って上昇を続けました。交渉が進展すれば急落するリスクは常にありますが、現時点では相場は支えられています。WTIが100ドルを維持できる限り、今週は短期的なレンジ取引が最も適したアプローチとなりそうです。レジスタンスは110ドルと120ドルです。サポートは100ドル、90ドル、80ドル、75ドル、70ドル、67.50ドルです。
ビットコイン
ビットコインは先週、米金利の上昇と米国株の下落を受け、比較的静かな市場環境の中で売りが強まり、最近の上昇トレンドを下回りました。10日移動平均線は現在下向きとなっており、短期的な下落トレンドに沿った動きとなっています。今週は、10日移動平均線付近で売り機会を探すのがよいアプローチとなりそうです。レジスタンスは80,000ドル、85,000ドル、90,000ドルです。サポートは75,000ドル、65,000ドル、60,000ドル、55,000ドルです。
今週の注目材料
月曜日:中国失業率・鉱工業生産
火曜日:日本GDP・鉱工業生産、英国失業率、EU貿易収支、米中古住宅販売仮契約
水曜日:英国CPI、EU CPI、米FOMC議事要旨
木曜日:日本貿易収支、豪州失業率、EU HCOBユーロ圏製造業PMI、英国S&Pグローバル製造業PMI、米住宅着工件数、米S&Pグローバル製造業PMI
金曜日:日本全国CPI、英国小売売上高、米ミシガン大学消費者信頼感指数
今週は主要な経済指標が少ないものの、米FOMC議事要旨が最も注目されるイベントとなります。強い米インフレ指標の影響が株式、債券、通貨、金に引き続き波及するため、市場では通常より高いボラティリティが続く可能性があります。
ドル円は引き続き注目されます。特に160円に向けて再び上昇する場合、日本当局への対応圧力が高まり、円買い介入の可能性も意識されるでしょう。また、ポンドドルとポンド円のトレーダーは、英国の政治情勢にも注意が必要です。首相をめぐる不透明感が続けば、ポンドの重しとなる可能性があります。

