Nick Goold
TACOトレードとは?
「TACOトレード」とは、「トランプはいつも土壇場で引き下がる(Trump Always Chickens Out)」の略称で、トレーダーの間でよく知られている典型的な相場パターンを表す造語です。このパターンでは、トランプ前大統領が突如として高関税など強硬な政策を発表し、それに反応して市場が一時的に大きく下落します。しかしその後、方針を変更したり延期を発表したりすることで、市場が反発するという流れが繰り返されてきました。
このような動きは、価格が大きく下がった局面で「買い」、その後の反発局面で「売る」といったトレードチャンスを狙うことができる可能性があります。
例:2025年5月のEU関税の状況
2025年5月23日(金)、トランプ大統領は欧州連合(EU)からの輸入品に対して50%の関税を6月1日から適用すると発表しました。
市場は急落しました:
ダウ平均:-0.95%、USD/JPY:-0.97%、金:+2%
しかしその2日後、5月25日(日)、欧州委員会委員長との会談の後、トランプ大統領は関税の延期と交渉継続を発表しました。
市場はすぐに反応しました:
5月26日:ダウ+1.15%、USD/JPY +0.3%、金 -0.4%
5月27日:ダウ+0.8%、USD/JPY +1.1%、金 -1.3%
これがTACOトレードです。最初に大きな恐怖が走り、その後に安心感が戻る。パニック時に買ったトレーダーには短期的な利益を得るチャンスがありました。
TACOトレードが重要な理由
このようなパターンは珍しく、政治ニュースによって引き起こされる繰り返しの市場行動から利益を得るチャンスをトレーダーに提供します。
通常は動きが鈍い市場でも、このような急激な上下の動きは短期的なチャンスを生み出します。TACOトレードが効果的とされる最大の理由は、それが単なる「予測」ではなく、実際に過去に何度も繰り返された“行動パターン”に基づいている点にあります。優れたトレーダーほど、未来を当てることに執着せず、市場が何度も繰り返すようなパターンを見つけ、それに基づいて冷静に戦略を立てているのです。
特に効果的なのは以下の市場です:
- USD/JPY、EUR/USD、AUD/USDといったFX通貨ペア
- 恐怖時に上昇し、落ち着くと下落する金
- グローバル貿易に敏感な株価指数や個別株(テック株や輸出企業など)
もしパターンを早く見つけてリスク管理ができれば、不安定な市場環境でもTACOトレードは有効な短期戦略になり得ます。
TACOトレードのやり方
1. ニュースをしっかりチェックする
関税関連のニュースは、アメリカ市場の終盤や週末によく出ます。素早く行動できるように準備しておきましょう。
2. パターンを理解する
関税の脅し → 株価が下がり、USD/JPYが下落、金が上昇
トランプが撤回 → USD/JPYが上昇、金が下落、株価が反発
3. テクニカル分析を使う
重要なサポートライン付近で買いを狙いましょう。価格が上昇を始めてからエントリーするようにします。慌てず、価格が反転のサインを見せるまで我慢することが大切です。
4. 必ずストップロスを使う
ニュースが原因のトレードは動きが速いです。予想と反対方向に進んだ場合でも、ストップロスを使えば大きな損失を防げます。
5. 最低でも2:1のリスクリワード比を使う
ストップロスが50ピップスなら、利益目標は最低でも100ピップスに設定しましょう。たとえ勝率が4割でも、長期的には利益を出すことができます。
なぜプロは一般トレーダーとは逆の行動を取るのか
プロのトレーダーは、特に悪いニュースが出たときほど、あえて一般トレーダーとは反対の行動を取ることがあります。多くの人が過剰反応するため、そのような動きは絶好のエントリーポイントを生むことがあるからです。TACOトレードでも、最も怖い瞬間——たとえば関税発表直後——は、市場が反発の準備をしているタイミングでもあります。市場が反転の兆しを見せたら、ストップロスを使って一般トレーダーの恐怖を逆手に取りましょう。
プロはニュースだけを見て取引するのではなく、一般トレーダーの行動パターンを観察します。多くのトレーダーが感情的に反応することを理解しており、同じ状況で市場がどう反応したかを繰り返し研究します。これにより、予想ではなく、行動に基づいた戦略を立てることができます。すべてのトレーダーはこの考え方を持つべきです。未来を当てようとせず、繰り返されるパターンを見つけましょう。それがプロが安定して利益を出す方法です。
みんながやり始めるとどうなる?
どんなトレードアイデアも、あまりにも多くの人が使うと効果が弱まります。最近では、アメリカの裁判所がトランプ大統領の関税を無効にしても、S&P500は0.4%しか上昇しませんでした。これは、市場が同じニュースに慣れてしまっているサインかもしれません。
一部のファンドマネージャーは、「TACOトレードは今やバックグラウンドノイズになっている」と言い、以前のような市場への影響力は弱まっていると指摘しています。みんなが同じことを期待すると、市場は反応しなくなるものです。
トランプは本当は何をしているのか?
トランプ大統領の関税発言は、実際の変化を求めているというより、「強い姿勢」を見せたいという意図が感じられます。彼の目的は以下のようなものです:
- 交渉で強気な姿勢を見せる
- 株式市場の大きな下落を避ける
- ドル安にして輸出を助ける
- 経済が強いように見せて、有権者やメディアにアピールする
この行動パターンが、TACOトレードを成立させてきた理由です。ただし、人々が「どうせまた撤回する」と信じなくなれば、この手法も効かなくなります。TACOトレードはトランプ大統領の市場行動から利益を得るスマートな方法でしたが、今や多くのトレーダーに知られたことで、簡単な利益は取りにくくなってきています。
プロから学ぶ:大口トレーダーの動きを追え
タイタンFX研究所には、IMM通貨先物ポジションおよびCFTC建玉明細分析という強力なツールがあります。タイタンFX研究所のマーケット分析メニュー、または以下のリンクからこのツールにアクセスできます:
IMM通貨先物ポジションとCFTC建玉明細分析にアクセス
このツールは、世界の大口トレーダーがどのようなポジションを取っているか、そして毎週どのように調整しているかを示すことで、プロのようにトレードする助けとなります。データを観察することで、強いトレンドや市場が一方向に偏りすぎた際の反転の兆しを見つけやすくなります。
IMM通貨先物とCFTCトレーダーデータ
CFTC(米商品先物取引委員会)は「建玉明細報告書(COT)」を毎週金曜日(米国時間)に公開しています。このレポートでは、特に大口ファンドなど、さまざまなトレーダーの先物市場でのポジションが示されています。
トレーダーにとって最も有用な情報は、投機筋(Non-Commercial)のポジションです。これは、大手ファンドや投機家が何をしているかを示しています。
Titan FXではこのデータを分かりやすく可視化しています:
- ロングとショートのポジション比較バーグラフ
- ロングポジション(買い)は赤
- ショートポジション(売り)は青
- ネットポジション(ロング−ショート)は線で表示
- 各カテゴリーの週ごとの変化
- 「詳しく見る」をクリックすると、各資産の詳細へ
ツールを開くと、最初に各資産ごとのバーグラフが表示されます。大口トレーダーの買い(ロング)と売り(ショート)のポジション数を簡単に比較できます。グラフ下には、週ごとの変化(新規または決済された契約数)が表示されます。また、ロング・ショート・ネットポジションの合計も確認できます。これにより、大口トレーダーの方向性を素早く把握できます。
長期ポジショニングチャート
「詳しく見る」をクリックすると、トレーダーポジションと価格チャートを並べた履歴ページが開きます。これにより、主要な値動きの前後でのセンチメントの変化を視覚的に確認できます。
赤(ロング)と青(ショート)のバーグラフ、ネットポジション(黒線)、価格(緑線)で表示され、価格とセンチメントの動きの関係が把握しやすくなっています。
また、週ごとのデータ表も表示されるので、変化を週単位で追跡可能です。20年以上前までのデータにさかのぼれるため、以下のような分析が可能です:
- 価格変動とトレーダー行動の比較
- 繰り返されるパターンの発見
- 大口トレーダーの行動に基づいた戦略構築
分析できる市場
このツールでは、以下の主要な市場をカバーしています:
- FX:EUR/USD、GBP/USD、USD/JPY、AUD/USD、NZD/USD、USD/CAD、USD/CHF、USD/ZAR、USD/MXN
- 貴金属:金、銀、銅、プラチナ、パラジウム
- 株価指数:ダウ・ジョーンズ、S&P 500、NASDAQ、日経225、E-mini契約
- 暗号資産:ビットコイン、ミニ・ビットコイン、イーサリアム
- エネルギー:WTI原油、天然ガス
- その他:米ドル指数、VIX、小麦、トウモロコシ、大豆、砂糖、米国債利回り
このツールを使って、プロのトレーダーがどのようにトレードしているかを学びましょう。彼らの動きを観察し、パターンを見つけ、ニュースや予測に頼らず、実際のデータに基づいた戦略を構築します。TACOトレードは、ニュースに市場がどう反応し、賢いトレーダーがどう群衆と逆に動くかの一例です。プロがポジションをどう構築・調整するかを追えば、ニュースが伝える前に強さや弱さの兆候を見つけられます。
タイタンFX研究所を活用して、こうしたパターンを自分で見つけましょう。未来を当てることではなく、「今」を読み取ることがトレーディングの本質です。優位性は行動の理解から生まれます。プロの手法から学びましょう。
