Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
日本円は対米ドルで164円付近まで下落し、約40年ぶりの安値をつけました。中東情勢の緊張がドルを支えた一方、日本の財政に対する懸念や大きな日米金利差が引き続き円の下落圧力となりました。為替介入の可能性を示唆する警告の影響は限定的でした。
世界の株式市場は、人工知能(AI)への巨額投資に対して投資家が慎重になったことから下落しました。原油価格の急上昇も市場心理を悪化させました。中東での戦闘が続き、停戦への期待が後退したことで、WTI原油はさらに上昇しました。

原油高により、インフレが再び上昇するとの懸念が強まり、FRBによる利上げの可能性が高まりました。欧州中央銀行(ECB)は政策金利を据え置きましたが、今後の利上げの可能性は残っていると示しました。経済指標の発表は少なく、結果はおおむね市場予想に近い内容となりました。
今週の市場見通し
米国株
ダウ平均は3週連続で下落しました。WTI原油価格の上昇や関税への懸念が、さらなる売りを促しました。指数は短期的な下降トレンドを維持しており、6月以降の大幅上昇を考えると、さらに下落する余地があるとみられます。弱気トレンドが続く間は、10日移動平均線付近での戻り売りが有効となる可能性があります。レジスタンスは52,500、53,000、53,500、54,000、サポートは51,500、51,000、50,000、49,500、49,000です。
日本株
日経225は、割高なバリュエーションへの懸念や海外株式市場の下落によって投資家心理が悪化し、週間で下落しました。円安にもかかわらず指数が下落を続けたことは、弱気のサインです。今週も10日移動平均線付近まで上昇した場面での戻り売りが、引き続き有効な戦略となりそうです。レジスタンスは66,000、67,000、68,000、69,000、70,000、サポートは64,000、62,000、61,000、60,000、59,000です。
USD/JPY
USD/JPYは先週大きく上昇し、163円を上抜けて164円を試しました。WTI原油価格の上昇によって米国のインフレ懸念が強まり、日米の金利差が大きい状態が続くとの見方が支えとなりました。日本政府の歳出計画も、政府借入の増加に対する懸念を高めました。短期トレーダーにとっては、今週前半にFRBと日銀の重要な政策会合を控え、164円付近のレジスタンスで売ることが有効な機会となる可能性があります。レジスタンスは164.00と165.00、サポートは162.00、161.00、160.50、160.00、159.00、158.00、157.00、156.00です。
金
金は先週前半に一時4,000ドルを下回りました。WTI原油価格の上昇によって米国の利上げ観測が強まり、利息を生まない金にとってマイナス材料となりました。先月安値付近のサポートは維持され、中央銀行が安値で購入した可能性がありますが、週間の反発は限定的でした。強いサポートが下値を支える可能性はあるものの、今年中に米国が利上げする可能性を考えると、大幅な上昇は難しいかもしれません。そのため、短期から中期ではレンジ取引がより適した戦略となりそうです。レジスタンスは4,150ドル、4,200ドル、4,300ドル、4,400ドル、4,500ドル、サポートは3,950ドル、3,900ドル、3,800ドルです。
原油
米国とイランの交渉が決裂したことを受け、WTI原油は2週連続で大幅に上昇しました。しかし、原油価格の大幅な上昇は、経済への悪影響を避けるため、米国が交渉を再開して緊張緩和を目指す可能性を高めると考えられます。そのため、交渉に前向きな進展が見られた場合は、売りの機会を探すことが今週のより良い戦略となる可能性があります。レジスタンスは95ドル、100ドル、105ドル、サポートは80.00ドル、75.00ドル、67.50ドル、65ドル、60ドルです。
ビットコイン
ビットコインは先週前半に一時65,000ドルのレジスタンスを上回りましたが、株式市場の下落でリスク選好が弱まり、週末には小幅安となりました。10日移動平均線は、最近の上昇トレンドが終了した可能性を示しているため、短期的にはレンジ取引へ戻ることがより適した戦略となりそうです。レジスタンスは65,000ドル、75,000ドル、80,000ドル、85,000ドル、90,000ドル、サポートは60,000ドル、55,000ドル、50,000ドルです。
今週の注目材料
月曜日:日本 景気一致指数、米国 耐久財受注
火曜日:OPEC会合、米国 CB消費者信頼感指数
水曜日:オーストラリア CPI、米国 FRB政策金利発表
木曜日:オーストラリア 住宅建設許可件数、EU GDP・失業率、英国 イングランド銀行政策金利発表、米国 コアPCE価格指数・GDP
金曜日:日本 東京都区部コアCPI・失業率・鉱工業生産・小売売上高・日銀金融政策決定、オーストラリア PPI、英国 ネーションワイド住宅価格指数、EU CPI、米国 雇用コスト指数・シカゴPMI・ミシガン大学消費者信頼感指数
今週の市場は中央銀行の政策会合に注目します。FRB、イングランド銀行、日銀はいずれも政策金利を据え置くと予想されていますが、会合後の発言によって相場が大きく動く可能性があります。市場が織り込む9月の米利上げ確率は、1週間前の53%未満から約82%まで上昇しています。米国の耐久財受注も重要となるほか、WTI原油がさらに上昇すれば、インフレ懸念が強まり、株式市場への下落圧力が高まる可能性があります。

