Nick Goold
東京外国為替市場セッション:注目ペアとトレード戦略
東京市場セッションは、ロンドン・ニューヨークと並ぶ世界三大為替市場のひとつです。比較的落ち着いた動きが特徴ですが、グローバルな為替取引において重要な役割を果たしています。一般的に東京時間の午前8時から午後4時までが取引時間とされ、それ以降はロンドン市場が中心となります。
ロンドンやニューヨークに比べると、東京市場は平均的なボラティリティが低いため、通貨ペアの選択が重要です。市場が静かな場合は無理にエントリーせず、ロンドン市場のオープンを待つ判断が有利なこともあります。
東京市場で取引するべき通貨ペア
以下は、東京時間における主要4通貨ペアを取引機会の多い順にランキングしたものです。
1. USD/JPY(ドル円)
ドル円は東京市場で最も流動性が高く、スプレッドも狭いため人気の通貨ペアです。特に午前9時の日本株式市場オープン時に活発になります。
日本銀行の金融政策発表が最も大きな影響を与えますが、通常の日本の経済指標は影響が小さいことが多いです。むしろ、前日のロンドンやニューヨーク市場の動きが東京時間に引き継がれることが多く、こうした流れを観察することで有益なチャンスが得られます。
2. AUD/JPY(豪ドル円)
豪ドル円は日本とオーストラリアの両市場が稼働している時間帯に取引量が多くなります。商品価格やオーストラリア準備銀行(RBA)の金融政策が大きな変動要因です。
近年の豪州金利上昇により、円を売って豪ドルを買うキャリートレードが再び注目されています。長期レンジを突破すると、キャリートレード関連の注文が入ってボラティリティが高まる場合があります。
3. GBP/JPY(ポンド円)
ポンド円は東京時間ではスプレッドが広く、英国関連ニュースも少ないため、デイトレーダーにとっては不利です。ただし、中期トレンドに沿ったスイングトレードでは有利な場面が時折発生します。
ロンドン市場ではスプレッドが狭まり、ボラティリティも高まるため、ポンド円はロンドン時間に注目する方が適しています。ただし、東京時間の値動きがロンドンに影響を与えることがあるため、東京市場での観察も重要です。
4. EUR/JPY(ユーロ円)
ユーロ円は東京時間でも取引されますが、通常は大きな動きが少ない通貨ペアです。ユーロドルが静かなため、ユーロ円は主にドル円の動きに連動します。ただし、稀に東京時間に大口のユーロドル注文が出て急変動が起こり、短期的なリバーサルトレードのチャンスとなる場合があります。
東京市場トレードのポイント
- 東京時間はロンドンやニューヨークに比べ静かだが、ドル円・豪ドル円は有力な取引対象。
- 豪ドル円は商品市況やキャリートレードの影響を強く受ける。
- ポンド円・ユーロ円は取引機会が少ないが、東京の動きがロンドンに波及することもある。
- 市場が静かなときは無理に取引せず、ロンドン市場を待つ判断も重要。
東京市場はボラティリティが低めですが、特徴を理解して専門化することで安定した収益機会を見出すことができます。