Nick Goold
手堅いニック式取引戦略
月曜特別版
ニック・グールドがお届け
米国とイランの緊張が再び高まったことで、ホルムズ海峡を通る原油輸送が混乱するとの懸念が広がり、WTI原油は大幅に上昇しました。原油高は日本円の重しにもなり、USD/JPYの上昇につながりました。
米国株と日本株は、AI関連企業の割高感に対する警戒が強まったことで下落しました。Moonshot AIが公開した新たなオープンソースモデル「Kimi K3」が、AnthropicやOpenAIの主要モデルに近い性能を示したことも、AI関連企業の競争激化や高いバリュエーションへの懸念を強めました。

米国のインフレ指標は市場予想を大きく下回り、FRBが近く利上げに動くとの見方は後退しました。小売売上高はおおむね予想どおりとなり、インフレ期待の低下を受けて消費者心理も改善しました。日本では、政府が公表した新たな経済方針の中で、日本銀行の独立性を守る必要性も強調されました。
今週のマーケット展望
米国株
先週のダウ平均は約1%下落し、上値の重い展開となりました。テクノロジー株が上昇しすぎているとの懸念に加え、原油価格の上昇が市場心理を悪化させるとの警戒が売りを誘いました。指数は10日移動平均線を下回って週を終え、同移動平均線も下向きに転じています。4月以降の大幅上昇に対する調整がさらに続く可能性があります。相場環境が変化する中では、上昇局面での売りや短期的なレンジ取引が適した戦略となりそうです。レジスタンスは53,000、53,500、54,000、サポートは52,000、51,000、50,000、49,500、49,000です。
日本株
先週の日経225は6%以上下落し、週間の下落幅としては過去最大となりました。AI関連企業の割高感への懸念に加え、WTI原油価格の上昇が日本経済や企業収益に与える悪影響への警戒が売りを促しました。7月に入ってから約10%下落しているものの、2026年では依然として23%以上上昇しており、さらなる調整余地が残っている可能性があります。そのため、10日移動平均線付近のレジスタンスまで上昇した場面で売る戦略が、短期・中期の両方で有効となりそうです。レジスタンスは66,500、67,500、69,000、70,000、71,000、72,000、サポートは63,000、62,300、60,000です。
USD/JPY
先週のUSD/JPYは比較的静かな値動きとなり、米国のインフレ指標が予想を下回ったにもかかわらず、直近高値を試しました。WTI原油価格の上昇や日銀による介入が見られなかったことから、日米の金利差を狙った買いが小幅に入りました。緩やかな上昇トレンドは続いていますが、163円付近には強いレジスタンスがあるため、今週はレンジ取引が適した戦略となりそうです。レジスタンスは162.50、163.00、165.00、サポートは161.00、160.50、160.00、159.00、158.00、157.00、156.00、155.50、155.00です。
ゴールド
先週のゴールドは、原油価格の上昇によってインフレ懸念が強まったことから売り圧力を受けました。ただし、米国のインフレ指標が予想を下回ると買いが入り、価格は年初来安値を上回る水準を維持しました。現在の価格より下では中央銀行の買い需要があるとの報道もあるため、今週は下落局面での買いが適した戦略となりそうです。レジスタンスは4,100ドル、4,200ドル、4,300ドル、4,400ドル、4,500ドル、サポートは3,950ドル、3,900ドル、3,800ドルです。
原油
先週のWTI原油は、米国とイランの緊張再燃によって原油供給が減少するとの懸念が強まり、10%以上上昇しました。直近の協議で進展が見られなかったことから、紛争が予想以上に長期化するとの警戒も高まっています。短期的にはやや買われすぎの状態にあるため、協議に前向きな進展が見られた場合には、売りを検討する戦略が有効となりそうです。レジスタンスは85ドル、90ドル、95ドル、100ドル、サポートは75.00ドル、67.50ドル、65ドル、60ドルです。
ビットコイン
先週のビットコインは比較的静かな値動きとなり、65,000ドル付近のレジスタンスを試しました。市場心理は引き続き改善しており、レジスタンスの上抜けを意識しながら、下落局面で買う戦略が適している可能性があります。レジスタンスは65,000ドル、75,000ドル、80,000ドル、85,000ドル、90,000ドル、サポートは60,000ドル、55,000ドル、50,000ドルです。
今週の注目材料
月曜日:米国 景気先行指数
火曜日:英国 失業率、EU ZEW景況感指数、米国 ADP週間雇用者数
水曜日:日本 貿易収支、英国 CPI・PPI投入価格
木曜日:オーストラリア 失業率、EU ECB政策金利決定・消費者信頼感指数
金曜日:オーストラリア S&Pグローバル製造業・サービス業PMI、日本 全国コアCPI・S&Pグローバルサービス業PMI、英国 小売売上高・S&Pグローバル製造業PMI、EU HCOBユーロ圏製造業PMI、米国 建設許可件数・S&Pグローバル製造業PMI・新築住宅販売件数
今週は重要な経済指標の発表が比較的少ないため、ECBの政策金利決定が最大の注目材料となります。政策金利は据え置かれる見通しですが、今後の利上げ時期について何らかの示唆が示される可能性があります。中東情勢の動向に加え、円安を抑えるために日本当局がどのような対応を取るかも重要となりそうです。

